東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』 Vol.6

周りに1人はいる!? 腕時計や自動車で「自分の二流っぷり」を見せびらかす“痛い人”はこういう人だ!

ほかにも、持ち物によってバレるのは、そもそもあなたがビジネスパーソンとして「周囲への配慮」と「まともな金銭感覚」の持ち主かどうかだ。

職場に「見栄っ張りなウザい人」いませんか?

③「周囲への配慮」があるか

「服装」でも同じことだが、一流の人ほど、職場や商談では、スーツは多少いいものを着ていても、アクセサリーや時計はあえて簡素なものをしてのぞむものだ。

たまに、職場や商談の場で、豪華な腕時計を見せびらかすようにつけて喜んでいる人がいるが、これこそ救いようのない見栄っ張りの典型である。

同じ職場でも、働く人の中には、アルバイトの人もいれば、契約社員の人もいる。契約形態によって給料は当然異なるし、同じ正社員でも、成績によって給料に大きな差があるケースは少なくないだろう。

そんな「有象無象の人が集まる職場」に、腕時計やアクセサリーをはじめとした豪華な持ち物を身につけてくるとしたら、「私はこんなに高価なものを買えるんだ」と自慢している「見栄っ張りなウザい人」と思われても仕方ないだろう。

ほかにも、これは個人の価値観にもよるが、私は毛皮のために動物を惨殺する毛皮コートが大嫌いだ。幸い欧米のファッション界には毛皮に反対する潮流があるが、日本のタレントの中には、毛皮をふんだんに使ったファッションをプロデュースしている人さえいる。

こういう人に対して私は「動物の命を何やと思ってるのだ!」といたく憤慨してしまう。毛皮を着るだけで、知らず知らずのうちに他人を内心激怒させてしまうことさえあるのだ。

「職場にはいろんな経済状況、いろんな価値観の人が働いている」という当然のことに考えが及ばない人は、残念ながら「そもそもビジネスパーソンとして周囲への配慮が足りない」と言われてもやむを得ない。

④そもそも「まともな金銭感覚」の持ち主か

もうひとつ大事な点は、たとえあなたが自腹で買った持ち物でも、そのカネ遣いによって、「この人はビジネスパートナーとして『まともな金銭感覚』の持ち主かどうか」を見られているということだ。

「仕事ができ、かつカネ持ちの人に限って、おカネに細かく、厳しい」というのは、多くの一流の人に共通する特徴だ。

私の過去のボスを振り返ってみても、アメリカ人のエリートで数十億円の資産を有している人は恐ろしくおカネに厳しかった。出張でも、ホテルの予算には厳格で、経営者である自分自身でさえ数時間のフライトならエコノミークラスを使い、秘書に毎回、相見積もりまでとらせていた(おまけに3社も!)。

ビジネスで扱うおカネの大半が「自分のおカネ」ではなく「他人のおカネ」「会社のおカネ」だという当たり前の基本を、ビジネスの各場面でこのうえなく厳しく順守しているといえる。

これは、ファーストクラスで無意味な「視察」という名の大名旅行を繰り広げる、全国の国会議員・地方議員に爪のあかを煎じて飲ませ、そういう人たちには「自分のカネでも同じ使い方をするか」と自問してほしいものである。

あなたの持ち物にかけるおカネを、まわりはきちんと見ている。「決して無駄遣いしない人」と思うからこそ、「会社や他人のおカネを任せても大丈夫」「こいつに任せれば、無駄なおカネは出ていかない」という信頼を得ることができるのだ。

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