東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』 Vol.7

貴方は大丈夫? 仕事が出来る人と出来ない人の差は“メモの取り方”に顕著に表れている!

「この人、すっごい勢いでメモっとるな……」

私がこれまで見てきた中で痛感するのは、若手時代から仕事のできる人ほど、とにもかくにもメモをとるスピードが速いということだ。

できる人ほど、鉄壁のメモとり魔

メモを完璧にとることは、仕事の安心感と信頼性を高めるうえで絶大な効果を発揮する。

そもそもお客さんに満足してもらうためには相手が話していたことを完全に把握しておくことが基本だ。また、上司に喜んでもらうためには、自分が指示されたことを漏れなく把握しておく必要がある。

仕事ができて信頼される人というのは、「この人に任せておけば、言ったことは正確に理解され、漏れなく実行してもらえる」という安心感を与えるものだ。

伝説の経営者、ジャック・ウェルチが語る経営の基本は、情報の徹底した共有と、やると言ったことを実行することだが、議論が共有され、実行されるという安心感の基本にあるのが、「この人は聞き逃さず、きちんとメモをとっている」と思わせるメモとり力である。

上司やお客さんと会話をするときは、とにかく必死にメモをとろう。そして、「一言も聞き逃さないように万全を期しています、あなたの発言すべてが大切です」というメッセージを送ろう。

もちろん、それをあからさまにやりすぎると、意図が見え見えであざとくなってしまう。しかしそれでも、赤坂や六本木のクラブの売れっ子ナンバーワンの女性並みに、自然さの演出に細心の注意を払って、「いまのお話、面白すぎるからメモをとらせてください」などとやると、その驚きの効果に、文字通り驚かれることであろう。

どうでもいい内容でも、メモをとりながら聞くことで「こんな与太話も尊重してくれている」とあなたの可愛げが何倍にも増すからである。

私も部下ができる年齢になって感じることだが、メモをまったくとらない部下ほど憎らしい生き物は世の中に存在しない。「メモをとらない」ないし「穴だらけの適当なメモを書く」部下ほど憎たらしい存在はいないし、そんなメモを書いていると「仕事への真摯な姿勢」そのものが疑われかねない。

メモひとつにも仕事への姿勢全般、とくに「漏れのない、鉄壁の注意力」があらわれることを肝に銘じよう。

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