SPECIAL TALK Vol.13

~常に今の自分の能力を超える仕事に挑戦し、チャレンジ精神を持ち続ける~

同じ方向を向いている企業同士が手を取り合うことも大切

金丸:日本にAmazonが誕生して15年になります。ようやくEコマースが日本でも市民権を得てきたような印象がありますが、ジャスパー社長はどのようにお考えですか?

チャン:Eコマースの浸透率を見ると、日本は15年かけて3.7%ですが、アメリカは20年で8.9%です。やはりアメリカと比べると、その差は大きいですし、商品の品ぞろえもサービスの利便性もまだまだ足りないと思います。ライバル企業もたくさんありますが、顧客を取り合うのではなく、どれだけエンドユーザーに便利なサービスを提供できるかということを、他社と一緒に考えていきたいですね。そうして全体のパイを増やしていきたいです。

金丸:流通小売業界でも、ウォルマートとP&Gが協力してウォルマートの最適補充の仕組みを作るなど、マーチャンダイジングの世界が大きく変わりつつあります。競争するのではなく、win-winの関係を作るというのは、非常に大事なことですね。

チャン:そうですね。同じ方向を向いているもの同士、手を組むことができれば、日本のEコマース市場も飛躍的に成長すると思います。

想像以上の進化を遂げる未来で大切なのは、生身の人との接し方

金丸:初めてお会いしたのでお聞きしたいことが多すぎて、真面目な話ばかりになってしまいました(笑)。ここで、少し私生活についてお聞かせください。週末はどのように過ごされているのですか?

チャン:子どもや妻と買い物をしたり、旅行に出かけたりしています。ワークライフバランスを意識して過ごしています。

金丸:ぜひ、お子さまへの教育方針をお伺いしたいのですが。

チャン:私自身、勉強をたくさんしてきましたが、子どもに対しては、もちろん勉強も大事ですが、それよりも人との接し方や責任感を持つということをしっかりと教えていきたいと考えています。年輩の方との接し方とかバスの運転手さんとの接し方、様々なことを体験させるようにしています。これから30年、50年先は、世の中がどのように変化しているかわかりません。想像以上の進化を遂げている可能性もある中で、大切なのは、生身の人との接し方だと思っています。

金丸:非常によくわかります。一方でアマゾン ジャパンの社長というお立場ですから、IT教育も熱心なのではないですか? たとえば、お子さんにスマートフォンは持たせていらっしゃいますか?

チャン:まだ小学生なので、持たせていません。

金丸:ヨーロッパのエストニアという国では、小学1年生からプログラミングの学習を始めているそうです。人口が約134万人という小国なので、工場を誘致しても労働者もいないし、なかなか産業が成り立たない。だからこそ、世界とインテリジェンスで戦っていこうという政策を進めており、国力を上げるために国主導でIT教育に力を入れています。またデンマークでは、小学1年生からタブレット端末やITのツールを使えるようにすることが、国の教育方針になっています。イギリスでも小学校低学年からプログラミングを義務教育化しようという動きがあり、子どもたちが世界に出たときに、ITにコンプレックスを持たないようにしようとしています。こういった動きが広がっていることについて、ジャスパー社長は父親としてどのようにお考えですか?

チャン:非常にいいと思います。これからの情報化社会では、生身の人とのコミュニケーションがベースにある上で、プログラミングもいわゆるコミュニケーションツールのひとつになると思います。絵を描くようにプログラミングができる時代が、必然になってくるのではないでしょうか。そのためにも小さい頃からプログラミングに触れることが大事ですね。

金丸:日本のIT教育はすごく遅れています。まずは子どもたちがもっとプログラミングに接する機会を増やしていく必要がありますね。

チャン:そうですね。

金丸:ところで、もう一つお伺いしたかったことがあります。ジャスパー社長は、健康管理はどうされているのでしょうか? 非常に鍛錬されている印象があります。

チャン:週に2、3回はジムに通っていますが、運動以上に食事に気を遣っていますね。

金丸:どのようなジャンルがお好きですか?

チャン:和食とイタリアンが大好きです。今日ご用意いただいたこちらの食事も、美しくてバランスもよく、大変気に入っています。

金丸:それは、ありがたいお言葉です。

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