SPECIAL TALK Vol.11

~できないことは何もない~

越えるべきハードルを見つけ、追いつめられるほどワクワクする

金丸:試合を拝見していると、いつもセルフトークしていますよね(笑)。私はあれが大好きなんですよ。いま(対談時)は標準語ですが、そのときは関西弁ですよね?

上地:そうですね(笑)。私は本当に負けず嫌いで、その点は誰にも負けないと思っています。その気持ちの表れですね。自分自身に話しかけるときは、関西弁になってしまいます。周囲の方々からも「試合中、よくひとりで喋っているよね」と言われます。最近、自分でもセルフトークが多いと取材で言っているので、試合中の声を集音されるようになってしまって(笑)。本当、言わなければよかったと後悔しています。自分に対し「何やってるんや?」とか「いまのちゃうやろ?」とか言っていますね。

金丸:あれはいいですね。上地さんは試合中の表情もすごく印象的です。

上地:追いつめられるほどワクワクします。ピンチの打開策を練っているときがすごく楽しくて、思わずそういった表情になっています。

金丸:ピンチは一回でも乗り越えることができると、クリアできた経験が手に入ります。それを乗り越えられないで逃げてしまうと、いつまでも成長しません。乗り越えた人は、恐れなくなるので、またさらに高いハードルを越えることができます。上地さんは、そのハードルを何度も何度も乗り越えてきているのでしょうね。

トレーニングは一日7時間。反復練習で苦手を克服する

金丸:現在は大阪を拠点に日々トレーニングに励まれているそうですね。日々、どのような生活を送っているのでしょうか?

上地:平日はボールを打つ練習が4時間で、その後3時間トレーニングをしています。

金丸:毎日7時間ですか。驚きます。やはり、鍛えるのは腕が中心ですか?

上地:体幹を中心に鍛えています。ただし、あまり鍛えすぎると自分の長所である柔軟性が損なわれてしまうので、ダンベルを使うようなトレーニングはほとんどしていません。

金丸:練習の内容というのは、コーチと相談して決められているのですか?

上地:そうですね。基本的にはコーチが設定したことをひたすらやるのみです。私のコーチは一点集中型なので、たとえばいまだったらバックハンドのトップスピンの練習を繰り返しています。今年1月の全豪オープンが終わってから、ずっとその反復練習をしています。ラリーでなく、球出しから。ひたすら繰り返すことで、身体に染み込ませているのです。

金丸:トップになる方ほど、できないことを練習して克服されています。そこまでやるのだから、強くなるわけですね。そういった日々の鍛錬を経て、2014年には世界ランキング1位の座に輝きました(2015年7月現在、世界ランキング3位)。いままでの戦歴を振り返ると、優勝は何度ご経験されているのですか?

上地:四大大会ではシングルスとダブルス合わせて8回ですね。シングルスではこれまで2回。ダブルスでは、2014年のグランドスラム4連勝。2015年も全豪オープン、ウィンブルドン選手権で優勝しています。

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