東洋経済・東京鉄道事情 Vol.28

東京の「都会」と「郊外」の境目ってどの駅から?マンション価格から見る境界線事情

東京都心から郊外に向かう電車に乗っていると、ビルやマンションが林立する風景から、次第に木々や緑が増え一戸建て住宅が目立つようになる。そこでようやく「郊外」に来たと実感する。では、郊外に転じる境目はどこなのだろうか。

通勤電車の乗車時間が30分を越える辺りや、国道16号線が郊外の境目といわれるたりすることもある。だが、明確な定義はない。辞書等で「郊外」を調べると「都市に隣接する地域」と記されている。

「都市」の定義はどうか。「多くの人が集まり、政治や経済の中心になっている場所」だ。そういわれても、自分の住んでいるエリアが都市部なのか郊外なのかわからない人もいるだろう。

そこで、マンション市場という観点から郊外分岐点を調べたのが、不動産コンサルティング会社トータルブレインの杉原禎之専務である。住宅を購入する際に「都心のマンションに住むか、郊外の一戸建てに住むか」は重要なポイントだ。確かに、マンション市場という視点でなら、答えが見つかるかもしれない。


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―― 都心からの距離は25キロが目安

「郊外か否かは、マンション事業が可能なエリアか、難しいエリアかで判断できます」と、杉原氏は言う。たとえば、駅ごとに新築および中古のマンション供給量や取引価格を見ていくと、ある駅を境に傾向ががらりと変わる。つまりその駅が郊外分岐点ということになる。また、総世帯数と借家世帯数が多く、借家世帯の平均年収が高いエリアは将来のマンション事業が可能なエリアだ。とすれば総世帯数、借家世帯数、借家世帯の平均年収がガクンと落ち込むエリアはやはり郊外の境目ということになる。

杉原氏が首都圏の主要13路線について、マンション市場の郊外分岐点の共通項を見たところ、都心からの絶対距離はおおむね25キロ前後、急行等の速達列車に乗って30分前後で都心駅に行ける距離だという。

それでは、杉原氏の分析を基に路線別に郊外の境目を見ていこう。

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