バーキンの秘密 Vol.1

この世で一番偉いのは、バーキンを売るエルメスの店員?150万のバッグに女が熱狂するワケ

この世で一番偉いのは、エルメスの店員かもしれない...


無知な編集部員が「予約数ヶ月待ちと聞きましたが、それは事実ですか?」と問うと、ユリアさんは、驚いたように笑った。

「そもそも、現在予約は受け付けていません。つまり、受動的に待つ人は一生手に入れられないんですよ。」

ユリアさんいわく、現在世界中で、バーキンの予約リストというものは基本的に存在しないという。では、どう入手したのか。

「いくつかの店舗に毎日電話しました。「バーキンは入荷していますか?」って。すると、ある傾向が見えてきたんです。ある店舗では、「入ってきましたが、もう売れました。」ある店舗では、「お昼過ぎにならないと入荷しません」つまり、午前中に入荷する店舗と、午後に入荷する店舗があるということなんです。」

毎日電話...!という執拗な執念から、見えてきた傾向があるようだ。

「午前中に入荷するという店舗に朝並ぶと、同じようなバーキンを求める女性がすでに並んでいるんです。皆、情報が早いですよね。もちろん、並んだからと言って、手に入るわけがないんですが、私のバーキン獲得のためのファーストアクションは、入荷時間を調べて、開店と同時に並ぶ、という正面突破のものでした。」

しかし、数多の女性が同じ方法で、ラブ・コールを送る。ドアマンがエントランスを開けた瞬間に、見るからにセレブな妻たちが、店員に詰め寄るそうだ。「バーキンありますか?」って。お金なら払うから、売りなさいって顔して。

ユリアさんのバーキンコレクションの“ほんの”一部

エルメスの店員は、「申し訳ございません。品薄で現在入荷は未定になっております。」と表面上は低姿勢に対応してそうだが、彼女にとっては、それが慇懃無礼にも見えたという。

「当時は、エルメスの店員がこの世で一番偉いんじゃないかって思いましたよ。どれだけ媚びれば売ってくれるんだって(笑)「生かす」も「殺す」も店員次第、生殺与奪を決める意地悪な神様に手のひらで弄ばれてるようで、本当悔しい思いをしました。でも何度か通ううちに、ある光景を目の当たりにしました。」

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