2016.07.13
突然ですが皆さんは10年前、自分が何をしていたか思い出せますか?
ぼんやりとは思い出せるかもしれませんが、ほとんどの方は思い出せないのではないでしょうか。忘れていた記憶を思い出してみると、「こんなこともあったなぁ」と懐かしんだり、今の自分に気付かせてくれるものもありますよね。
実は東カレも今年で15年目。そこでこの連載では、10年前の東カレの特集を見ていきながら、皆さんにもご自身の10年前を振り返ってみていただきたいと思います。前回は2006年1月号(2005年11月発売)を振り返り、今回は竹野内豊さんが表紙を飾った10年前の2006年2月号(2005年12月発売)へタイムスリップ!
当時の東京を賑わせたのは一体何だ!?
「大人の皆さん、代官山は、まだ若者の街だとお思いですか?」
当時、東京カレンダーで問いていたこの言葉。今となっては代官山は、どちらかと言えば大人の街という印象だが、カジュアルなショップが軒を連ねていたため、まだまだ若者が昼夜問わず集まっているようなイメージに思われていた。
歴史を紐解けば、東京の若者文化の拠点として、70年代から渋谷が発展するのに伴い、隣接する地域として開発が進んだ代官山。
その後、現在の代官山が形成されるきっかけとなった『ヒルサイドテラス』が誕生し、若者のショッピングゾーンとして注目を集めることになる。
決定的に雰囲気を変えたのは、2000年に誕生した、『代官山アドレス』。そう、この頃は『代官山蔦屋』なんて当然存在しておらず、『代官山アドレス』や『ラ・フェンテ代官山』が大人のスポットとして利用されていた。テレビドラマ『やまとなでしこ』のテレビ番組のロケ地としても話題を呼び、急速に代官山の大人化が進んでいく。
平屋建ての多いこの地域では、小洒落ていて、独立志向の強いレストランの出店が相次ぐ。大人な客層が増え、客単価も上がってきたことで、レストランの採算が取れる街へと変貌したのだ。
そこで10年前の東京カレンダーでは、お洒落な街から“実は大人のグルメな街”へと視点を変えて特集を行った。最近では、「何軒知ってる?代官山の隠れ家レストラン7選」といった記事も。ここから10年後、次は代官山がどんな街へと変わるのか今から楽しみである。
※『老四川 飄香』は、現在閉店しております。
2005~2006年は「中華イヤー」の年だった!
この頃に東京カレンダー編集部が注目したのは新しい中国料理店の出現。それまでの中国料理は“大規模” “宴会中心” “中国から料理人を招く”ことがお決まりだったが、2005年から誕生してきたお店は明らかに違う形態だった。
20~30席の広さで、オーナーシェフが自ら腕をふるう。それもはっきりと上海、四川など郷土性を打ち出しているのが特徴だ。この年オープンしたのは『チャイニーズレストラン 直城』、『飄香』、『桃の木』、『メゾン・ド・ウメモト上海(現在は閉店となっている)と後の名店が揃い、まさに中華ブームと言える年だった。
『飄香』は現在、麻布十番と銀座に店舗を構えるがスタートは代々木上原。看板と言われる「正宗担担麺」は当時からの人気メニューだ。
今では大衆的なお店から、高級料理店まで利用されているが、当時はイタリアンやフレンチのように選択の幅を持つことがなかった。こうした「中華イヤー」によって、東京の料理シーンはまた進化を遂げたのだといえる。
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