話題店の影にこの人あり!立ち上げのプロが語る成功するレストランの作り方

Q.まったくの素人でも本物感って出せるもんですか?

大槻:とはいえ、どんな店にしたらよいのでしょうか?

中村:ビールのクラフトというコンテンツには、本物感漂うキャスティングが大事ですね。思い切って醸造樽でも作りますか?

大槻:いや、予算もマイクロブルワリーでして……(笑)。

中村:ですか(笑)。それでは、日本発の要素を大事にしつつ、そこに東京発信らしいアーバンな見栄え、つまりフォトジェニックな内外観で雰囲気を高めていく。ビールの味に関しては、追求し続けるしかないでしょう。自分たちが美味しいと思うものを出せばいい。

大槻:雰囲気は大事ですよね。ビールがさらに美味くなる。

中村:東カレさんなら、ものすごい食のネットワークがあると思うんで、それを駆使して各種レストランを巻き込むのがよいのでは。

大槻:フレンチの達人が作る唐揚げ、とか、星付きレストランが作る究極のポテサラとか、ですね。で、これらをビールと共に〝じっくりと味わう〞。そんなコンセプトでいきたいです。

中村:雑誌がそのままお店になったような感じがいいですね!

大槻:なんだか、とても勇気が湧いてきた。気が楽になりました。

中村:お店を作るというより、雑誌を作ると考えればいいんですよ。店名は雑誌名。コンセプトやターゲット設定は、読者=ユーザーのことを考えればいいし、ライターやカメラマン、スタイリストをブッキングする感覚で、料理人やデザイナーをブッキングすればいい。〝自分にしかできないこと〞を盛り込めば、個性になりますから。ひとつ雑誌作りと異なるのは、再現する人をどうするか、ですね。

大槻:ですね。

中村:僕のやり方があります。一人でなんでもやろうとすると上手くいかない。そんなときは〝自分の苦手〞を得意とするメンバーを携える。例えば、実は僕、英語を流暢に話せないんですが、僕と同じ理解で英語を話せるスタッフと共に仕事をする。それで、ミーティングもプレゼンもこなす。あるいは、ビールだってもともと僕自身詳しくはなかったんです。でも、こうして上勝町のブルワリーの人と一緒に仕事をすると、ビールに詳しい自分になれる。二人で一人になればいい。それで、英語が話せる自分にも、ビールが詳しい自分にもなれるんです。

『KAMIKATZ TAPROOM』のコンセプトの具現化

ゴミを出さない「ゼロウェイスト」のディテールが多いのは、フックを多く仕掛ける中村流だ

ゴミとなる空き瓶をランプに転用

切り倒した丸太はカウンターの端に

生え変わりの際に落ちた、野生雄鹿のツノをタップの取っ手に再利用

廃材で作った窓もウォーミー

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