東カレ美容サロン:20代の髪型を引きずるアラサー女子はイタい! いま流行の大人ボブとは?

女のレベルは髪でわかる。
髪が変われば人生が変わる。

洋服や靴はすぐに買い換えられる。けれども、美しい髪を手に入れるのには手間と時間が必要だ。だから髪の毛を見れば、その女性のことがわかる。そして美しい髪は、彼女の人生を変えることができる。

東京で暮らす女性と髪のリアルな関係に迫る新連載、スタート。

東カレ美容サロンへようこそ!

アラサー、働く女のヘアスタイル

渋谷のスクランブル交差点を見下ろす某商業ビルの高層階で、そのヘアサロンは営業している。

毎日のように新しいサロンがオープンしては消えていく渋谷にあって、このサロンが15年にわたって人気店舗であり続けているのには理由がある。ヘッドスパやセラピーなど、ヘアケアに力を入れているからだ。

モテるためではなく、人生を豊かにするための美髪

周囲のライバル店と比べれば多少価格は高いものの、スタイリストたちは顧客の話を丁寧に聞き、髪型だけでなく髪質を整えるための適切なアドバイスを送る。

ヘアスタイルだけでなくライフスタイルまで提案しているのだ。おのずと顧客とスタイリストの信頼関係が築かれ、顧客はほかのサロンには浮気できなくなる。

そして、このサロンに通う女たちは、2つのことをよく知っている。「髪質のよさを維持するのは、洋服や靴を買うように簡単にはいかないこと」と、「髪が変われば人生が変わる」ということを。

今日もまたひとりの常連が、気心の知れた敏腕スタイリストTを訪ねた。彼女の名は、アサカワ・チハル(仮名)。童顔のせいで20代半ばに見られることも多いが、今年の秋に34回目の誕生日を迎える。

独身時代にPR会社から独立して始めたアタッシュ・ドゥ・プレスの仕事は順調で、そこに2年前に結婚したパートナーが営む美容外科クリニックの共同経営という仕事も加わったから、朝から晩までiPhoneが手放せない。

家族があるから、もうモテる必要はない。けれども経験上、女は髪をきれいにしているほうが仕事もうまく運ぶことを知っている。

翌日に大事なビジネス・ディナーを控えたチハルは、スタイリストTにこんな相談をもちかけた。

合コンのトイレで髪を巻いたあの頃

T:チハルさん、今日はどんな感じにしましょうか?

「明日、軽い接待があるのよ。こっちは私ひとりで、向こうは40代の男性とその部下の30代の女性」

T:その組み合わせ、難しいですね。男性にウケても、やり過ぎると女性の反感を買いますから」

「そうなのよ。大人っぽい感じの華やかさがあって、だけどケバくならない感じにしてほしいかな。もう、派手なのは卒業だから」

T:卒業って、チハルさんにも派手な時期があったんですか?

「そうか、20代半ばの頃はまだTくんにお願いしてなかったもんね。あの頃は、絶対に負けられなかったから……」

T:負けられないって、だれに負けられないんですか?

「若い頃って、中身が空っぽでしょ。それなのにいろんな人を好きになるから、合コンでも飲み会でもとにかく自分の存在を認めてもらいたい。だから、どんどん派手になるのよ。私なんて、合コンの時にレストランのレストルームで髪を巻いたりしたわ」

T:えー!(笑)、その頃のチハルさんに会ってみたかったな。

「しかも20代半ばの頃にいいなと思った20代後半から30代前半の男の人たちは、どんどん結婚していっちゃう。だから競争率がぐんぐん上がって、負けられないって思うのよ。

で、その頃に髪って大事だなって痛感したの。洋服だったら雑誌やネットで見て、クリックひとつで手に入る。でもきれいな髪を手に入れるのにはお金も時間もかかる。だからまわりの女の子たちを見て、どのくらいのレベルなのかは髪を見れば一発でわかる」

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