東洋経済:投資の真実 Vol.1

洋服を買うのも投資!?金融資産だけでなく自分への投資で将来の資産増加

「今、資金を支出すること」では「投資」も「消費」と同じですが、形を変えて将来の利益となって戻ってくるものが「投資」で、その利益を生み出すまでの姿が「資産」と呼ばれるものなのです。その資産を管理するのが「資産運用」と言えます。

こうした資産をひとつにくくってみて、どう配分するべきかを考えるのが「資産配分」です。「仕事で成果を出すためのスーツ」への支出、「自分の価値を高めるための英会話」のレッスン料、「将来の安心な生活を確保するための資産運用」などを「資産」として考えた時に、“どの資産にいくら支出して将来のリターンを待つか”を考えるのが資産配分を考えるということになります。

資産は利益を生み出すまでの仮の姿

ちょっと脱線しますが、これは実は企業経営者が必ず考えなければならないことと非常に似通っています。経営者は調達した資金のうちいくらを社屋建設に使うか、いくら在庫を保有する資金に使うか、どういった人財を確保する資金に使うのかといったことをつねに考えます。

「今」の売り上げをどう伸ばすかは営業本部長の仕事ですが、社長の仕事は「将来」の売り上げをどう作るかにあります。そのために今の資産の配分をどうしておけばいいかを考えるのです。この資産を金銭表示し、表にしたものがバランスシート(貸借対照表)と呼ばれる企業経営者にとってはなくてはならない経営資料と言われているものです。

自分を「自分」という会社の経営者としてください。スーツや英会話力に資金をつぎ込むことで自分という人的資産を高め、それが将来の収入を増やすというリターンにつながります。金融資産を積み増す、いわゆる投資をするということは、自分の持っている金融資金を増やすことで将来それを取り崩す時の金額を増やすというリターンが期待できます。

そう理解すると、20代のうちに何にどれくらいの資金を使って「資産」を増やすかは形こそ違っても将来の収入を増やすことを期待してのものだということがわかります。「資産」は「将来の利益」が生み出されるまでの仮の姿なのです。すなわち、自分の価値を高めることへの投資と金融資産への投資は同じ目的のなかにあるものだということですから、どちらがいいかは同じ土俵で検討することができます。

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