東洋経済・東京鉄道事情 Vol.12

利便性を徹底比較!JRと私鉄の競合区間対決10選

2)上野から船橋、津田沼、千葉へ

船橋までは、JRだと上野から秋葉原に出て、総武線の各駅停車に乗るのが楽だ。乗り換え時間を含めて35分くらいで390円。京成の場合は、京成上野駅から通勤車両の特急成田空港行きに乗り、京成船橋まで30分。JRに比べると乗り換えなしがメリットだが、運賃はJRより高く440円。JRの船橋駅と京成船橋駅は異なるけれど、不便なほど離れているわけではない。

しかし、津田沼はJRと京成の駅はかなり遠いので、目的地によって使い分ける必要があろう。ちなみに、JRは乗り換え時間含めて40分程かかり運賃は470円、京成上野~京成津田沼は特急で35分、440円と船橋に比べると京成の方が安くなる。

さらに、千葉の場合は、JRと京成の千葉駅はほぼ並んでいるので不便ではないけれど、京成は千葉へ向かう路線は支線となり、速達列車はないし、昼間の都心からの直通電車もない。特急で津田沼まで行き、各駅停車に乗り換えることになる。1時間近くかかり600円。JRなら、錦糸町から快速が使えるので、乗り換え時間を入れても50分かからない。運賃は640円である。

本数vs値段、所要時間vs待ち時間

3)JRと地下鉄が競合、北仙台→仙台→長町

仙台市の地下鉄南北線。本数はJRより多いが運賃はやや高い

仙台市内では、JRと地下鉄南北線が競合している区間がある。まずは、仙台駅と北仙台駅。JR仙山線なら2駅7分で1時間に3本、ほぼ20分毎だ。一方の地下鉄も7分(駅は4つ目)と所要時間は互角だが、本数は1時間に8本、7分半毎と頻繁に発着している。運賃はJRが190円、地下鉄は250円と割高だ。

仙台と長町間は、JRが一駅4分で東北本線のほか、常磐線直通や仙台空港行きもあって1時間5~6本走っている。運賃は190円、地下鉄南北線は、5駅で8分、1時間に8本走り250円。本数で考えるか、値段を取るかであろう。

4)50分乗るか1時間待つか? 前橋→桐生

JR両毛線は6駅約30分、500円。1時間2本のうち1本は途中の伊勢崎駅折返しとなるので、実質1時間1本だ。一方、中央前橋と西桐生間を走る上毛電鉄は、昼間30分毎、22駅52分670円。2つの路線の駅が離れているので目的地にもよるが、待ち時間が長いJRに乗っても到着時間が大して変わらない。

5)名鉄強し、名古屋→武豊間

昨年電化されたJR武豊線は強力なライバルの名鉄が並行する

2015年春に電化開業した武豊線。本数では名鉄が圧倒的に有利だ。夕方の名古屋発武豊線直通電車の区間快速と比較してみよう。JRは半田まで48分670円、武豊まで55分760円、名鉄は一部指定席ありの特急で知多半田まで32分660円、知多武豊まで38分730円、360円追加して指定席に乗れば快適だ。時間、運賃ともに名鉄に軍配が上がる。

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