東洋経済・東京鉄道事情 Vol.5

銀座に踏切、豊洲に鉄橋…都心に眠る廃線跡の謎に迫る!

晴海の高層マンションやビルをバックに、今も残る赤錆びた鉄橋

鉄道遺構めぐりが、静かな人気を呼んでいる。

今も残る失われた鉄道の痕跡を探し出し、かつてそこを走った列車に思いを馳せる……。古くから一部のファンによって楽しまれてきた鉄道趣味のひとつだが、「ブラタモリ」をはじめとするお散歩番組の人気に後押しされて、近年は一般の人にも注目されている。遺跡や古墳めぐりと同じ想像をかき立てる楽しさがあり、鉄道は身近な存在なのでイメージしやすい。

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あの人気スポットも鉄道跡だ

廃止された鉄道跡というと、人里離れた赤字ローカル線をイメージしてしまうが、首都圏にも鉄道遺構は数多く存在する。有名なのは、中央本線神田〜御茶ノ水間にある旧万世橋駅跡だ。中央本線の始発駅として1912(明治45)年に開業した駅で、戦時中の1943(昭和18)年に休止(事実上の廃止)となった。

旧万世橋駅を保存・整備したマーチエキュート神田万世橋

駅構内には、2006(平成18)年まで交通博物館が営業していたこともあり、プラットホームをはじめとする施設が残存。

現在は高架下の駅施設跡を活用した商業施設「マーチエキュート神田万世橋」がオープンし、ホームに上がる階段を見学できるほか、旧ホーム上にはカフェと展望デッキが設置されている。

新橋駅にほど近い、旧新橋停車場鉄道歴史展示室も鉄道遺構のひとつ。1872(明治5)年に、新橋〜横浜間が日本初の鉄道路線として開業した際、初代新橋駅が置かれた場所だ。現在の建物は、2003(平成15)年にかつての駅舎を再現して建てられた展示施設だが、発掘調査によって確認された駅舎基礎石や正面玄関階段跡などが保存され、見学できる。

旧新橋停車場を訪れたら、汐留シオサイトを通って、電通本社ビルの横に出てみよう。この汐留シオサイトも、元は1986(昭和61)年に廃止された旧国鉄汐留貨物駅の跡地だ。

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