2016.03.24
編集・鮓谷の東京“コスパ”カレンダー Vol.21誰?って、何度もすみません。東京カレンダー編集部の鮓谷(すしたに)です。
“【速報】鮓谷裕美子が昨夜、完全にオチたデートを報告する”という、いかに私がオチたかという夜の営みを報告する続編になります。
……あれ?
世界で一番どうでもいい情報、だという顔をされましたね? 間違ってないです! 間違ってないそれ! でも! きっと! 最後まで読んで頂けたら、何かしら利益になるかと! ほ、ほら、信じる者と書いて“儲かる”って読むじゃないですか! とか気焔を吐いてはいますが「完全にオチたデートを報告する(ドヤッ)」とか書いておきながら「完全に寝オチしちゃったんだよ本当はねエヘエヘ」というオチから見せる仕上がりでお届けしたいと思いますイザ!イザ!
ちなみに前編が配信されてから、父が久しぶりに電話をかけてきました。
「元気?どうしよるん」
「元気よ。どうもしよらんよ」
「ほーか。ところで、どこに落ちたん?」
_人人人人人人人人_
> どこに落ちたん?<
 ̄^Y^Y^Y^YY^YY^ ̄
ということで、続けます。オチた、とかオトされた、とかでなく、私は、自らオチにいくスタンスです。『だめんず・うぉ〜か〜』じゃなくて、不必要に自信を持たせてしまう『だめんず・メーカー』。穴があったら出てみたいものです。
ちなみにこの夜の後も『Casita』のこのクルーズプランが気に入ってしまって、親友のお誕生日会でも驚かせてもらいました。このときは、サーベラージュをさせてくれたり、妊婦さんもいたのでこのケーキの近くにある『Volvic』が親友の名前、“KAYO”になっていました。
さて本題です。
前編では『YUMIKO CHANDON』に始まり、カープのエンブレム付き前掛けなどサプライズ続きで「今日死ぬのかな?」なんて思っていましたが、まだ死んでいません。それにしても、デートって時間をかけて考えてもらえるのが嬉しいんですよね。なんどか会っただけの人が「あ、これ、スッシー好きそう」っていわれただけで惚れそうになりますからね。なりますよね? あれ? ならない? 朝から「焼肉いこうや」って言われたら、すぐ惚れますよね?
さて、メインディッシュの登場です。秋田和則総料理長は、それはそれは繊細な味覚を現出することに長けておられる方ですが、そんな彼が持ってこられたのが、アメリカ産アンガス牛の中の最高等級プライム! 松坂牛や飛騨牛のよう国内の場所指定はありませんが、それでも全アンガス牛の3%しかプライムと謳ってはいけない赤身の最高峰です。
ごろん。
いまだかつてこれほどまでに、この擬態語が似つかわしい肉があったでしょうか。漫然と愛でてはいけない。私の自己顕示欲に火がつきました。そんなときに私の欲求を、この火照った欲を満足させてくれるのは、雑誌『dancyu』の凄腕編集者、斉藤賢太郎氏です。
どれだけ凄腕かというと、肉特集のときに何を血迷ったか「カルビの焼き方 総選挙」というページを企画し、ものすごく時間をかけて、あたかも夏休みの宿題の朝顔の研究のように、緻密に強火で一気に焼いた場合、弱火でじっくり焼いた場合、凍った状態から焼いたら、などと480枚のカルビを焼いたらしいんですね。右手にトング、レーザー温度計、左手にストップウォッチ。それで「なにが分かったんですか?」と聞いたら「途中で一度だけ食べたタン塩は、震える程旨かった。」と……。
え。
……え?
すべての検証が終わった後に「網の上で焼くか、鉄板の上で焼くかでも、違ってくるんですけどね」と言われて、2年後の肉特集で再度検証したという、情熱の吝嗇を惜しまない戦慄の編集者です。
この間なんてランチタイムに、コンラッドの悶絶中華『チャイナブルー』にて『香り豊かな醤油出汁のつゆそば 牛肉と中国漬物と共に』の写真を送ったら、「僕も麺特集のリサーチ中です」っていって30分に1杯のラーメン写真が届きましたからね。17時まで。男子が厨房に入ろうと思ったら(dan男子、 cyu厨房に入るでdancyu)、ここまでしないと入れてもらえないもんなの?
そんな斉藤氏に、この“ごろん”ステーキの写真を送ったら、『「ごきげんよう」で小堺一機さんが投げるサイコロですか?』って返事がきました。
いま気づいたけど、小堺さんはサイコロを追っかける役だわ。投げるのはゲストだわ。
そのサイコロのようなサイコロステーキなんですが、ま……って…、あれ? サイコロステーキって「ごきげんよう」からきてるの!? そうなのね! 小堺さん、すごい。「小」を取って、堺さんにしてしまってもマチャアキには怒られないと思う!
ということで気を取り直し、お肉入刀です。
私、常々、お肉を食べて「やらか~ぁい❤」って言うのは、肉の褒め言葉でも何でもないと思っているのですが、あのですね、こちらジューシーで歯ごたえがあってお肉のライブ感があるのに、柔らかいんです。敢えて言いたい「やらかぁ~い❤」。もう「やらかぁ~い❤」から、歯どころか、歯茎がいらないね! ちょっと歯茎、返してくる(錯乱)。
ああ、この肉と寝たい。
そう思って、隣の先輩に「先輩、お肉の余韻が、最高出力振り切ってますね!」と興奮気味に伝えたら、「そうだよ、女はボインじゃなくて余韻だよ」
・・・
・・・・・・・
あ……。ヤバい、これ、難聴vs渇舌悪いの頂上決戦だ。
気を取り直して、ワラビなどの春感溢れる付け合わせを頂きます。ワラビの花言葉(あるんだ)は、「不変の愛」です。ラブリー。ちなみにオクラの花言葉は「恋によって身が細る」です。そんな乙女心はお蔵入りですよ、オクラだけにね!
そんなオヤジギャグの応酬にヒートアップしてきた頃、「じゃあデザート食べよう」とまたエレベーターへ。今度は知る人ぞ知る、6階の『Casita lounge』! こちら隠し扉があったり、隠しカラオケルームがあったり、遊び場として本当に優秀なラウンジです。
その隠し扉を開くと、じゃ~ん! コチラ!!!
え? もう私、今日結婚式? 勘違いしそうになるくらい、至れり尽くせり(余談ですが「なにこれ! すごい! 至れり尽くせり!」って言おうとして興奮しすぎて「なにこれ! すごい! 踏んだり蹴ったり!」って叫んでしまいました)。
しかもですね……。
「鮓谷さま、ちょっとこちらへ……」って窓際に誘導されたんですよ、突然。
それで窓の外を見下ろしたんですよ。
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