行きつけにしたい!年初めのご褒美ランチ Vol.10

路地裏の名店が放つ“本当の味”が堪能できる唯一無二のオムライスはこれだ!

ランチを制する者は仕事を制す。ならば、年初めのランチを制する者は一年の仕事を制す!
旨いものを食って一年のパワーをチャージ!

そこで、都内屈指の絶品ランチと名高い人気店を探してみた。
4日間連続でご紹介し、初回である昨日は高田馬場で見つけた、きめ細かい肉質からほの甘い肉のジュースがこぼれ出す絶品ロースカツ定食が登場。2回目の本日は、初台の路地裏に佇む老舗の、見た目は普通なのに味は全く新しいオムライスをご紹介。

10食限定で供される唯一無二のオムライス『ツヴァイ・ヘルツェン』
"オムライス"

初台


真実のオムライス――。

もう30年前になるだろうか、初めてここのオムライスを食べた時に、自然に言葉が浮かんできた。

今まで食べてきたオムライスとは、まったく似ていない。舌にふわりと着地して、味覚と嗅覚を目覚めさせ、心を温める。永遠に食べ続けていられそうなオムライスを食べ進むうちに、涙が出てきた。

初台の路地裏に佇む『ツヴァイ・ヘルツェン』は、古き良き時代のパリやドイツのレストランで、貴族相手に料理を作ってきた、今は亡きご主人が始めた店である。

オムライスは、常連にせがまれ、「よし、3日待ってな」と言って生まれたメニューである。自家製ケチャップにトマトソース。そこには、知恵と情熱、創造と心血が、細部にわたるまで注がれている。「既存の日本の味はまやかしだ。俺が本当の味を作ってやる」。ひと皿のオムライスには、ご主人の気概が込められていた。

そして先代亡き今、オムライスは、息子さんに受け継がれている。最初は父のレシピを正確になぞる味だった。そして今は、息子のアイデアを少しずつ加え、彼のオムライスを出し続けている。「お父さんの味に品が加わったね」というと、「ありがとうございます。でも、父はどうやったって、超えられません」と、彼は笑った。

父を語る息子さんの恥じらいに、天才を受け継ぐ者の、並々ならぬ覚悟ができていた。

その味わいの芯に、父に近づこうとする炎が燃えていた。

明日は、東高円寺駅から数十分の不便な立地にありながらいつも満席な人気店のしびれる辛ウマ麻婆豆腐をご紹介。お楽しみに!

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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