2015食トレンド⑧フレンチ日本酒ペアリング Vol.1

「フレンチに日本酒」は実は逆輸入の文化!今年は和仏折衷フレンチがきた

※こちらの店舗は、現在休業しております。

フレンチにはワイン、和食には日本酒……と、暗黙知のように合わせられていたのは、過去の話。
「フランスで日本酒が流行し、そのマリアージュを楽しむ人が増えた」と語る日本のソムリエも増えている。

そう、実は逆輸入という形で、東京でもフレンチ×日本酒がどんどん広まっているのだ。

今年の和仏折衷フレンチの代表として話題をさらった『フレンチ割烹ドミニク・コルビ』の料理は、バターやクリームを使用しない代わりに、京都の割烹で教わった方法で鰹と昆布の出汁をひいて使う。まさに日本酒に合う進化である。

本日は特別に、ドミニク氏にフレンチと日本酒の奥深い世界をレクチャーしてもらおう!
また、明日はどーんと実践編として都内の名店たちもご紹介するのでお楽しみに!

ドミニク氏。“当店の全メニューに日本酒を合わせられます!”と豪語する

なぜフレンチに日本酒? 教えてドミニクさん!

Q1 フランスでは日本酒ってどんな評価なの?

「日本酒は、フランスでは星付きレストランで人気なので、そういう店の料理を食べている人や、日本好きのフランス人が日本酒を好みます。実は、この現象には、私がフランスのシェフたちに日本酒を紹介したことも少し関係しています。私は2002年から2010年にかけて、フランスの星付きレストランのシェフを20人ほど日本に招いたのですが、その時、お土産に日本酒を渡したんです。ただ、フランスでは中国のアルコール度数の高い蒸溜酒が『SAKE』という名前で出回っているので、『SAKE』と聞いて皆が思い浮かべるのは、実はこの中国酒のほうです」

Q2 ドミニクさんが考える日本酒の魅力は?

「なんといっても繊細さがあり、味わい的に深いところがあるのが、日本酒の魅力です。日本人の中には『日本酒は甘い』と思っている人が少なくないようですが、私に言わせれば甘いのではなく、深いのです。お酒の中に、米の旨みがあるからですね。そして、日本酒はワインと違って、重い。重いというのは、酒質がしっかりしている、フルボディであるという意味です。滋賀の特別純米『忍者』などのようにボディのしっかりした日本酒は、とくに料理と合わせやすいので、そこも魅力です。日本酒は、お酒だけで飲むのではなく、食中酒として味わいたいですね」

Q3 なぜフレンチと日本酒は合うの?

「正確に言うと、すべてのフレンチと日本酒が合うわけではありません。むしろ、こってりしたフレンチと日本酒は合いにくい。すべての和食と日本酒が合うわけではないのと同じことです。その点、日本の食材を使った日本人好みの繊細なフレンチであれば、繊細な日本酒を合わせやすいのです。」

Q4 なぜ、2015年にこれが流行ったの?

「東京には以前から日本酒を出しているフレンチがありました。2015年なぜ流行ったかというのは、手前味噌ですが、私の影響でしょうか(笑)? 『フレンチ割烹ドミニク・コルビ』はフレンチスタイルの割烹として多くのメディアで取材され、注目していただきました。私が料理に日本酒を合わせていることも紹介されたため、フレンチと日本酒の相性の良さに気付いたプロの方もいらっしゃったのではないか、と思います」

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