発表! 2015年、もっとも輝いたレストランはここだ!

マーブル状に細かくサシの入った見事なサーロインは、余分な脂を削り、芯の部分のみにカット。これを包丁で厚さ1 〜1.5㎜程度に手切りする。脂ののりや身質に合わせたこのスライス技術が、口にした時の華やかにして繊細な舌触りを生みだしている。コース一通り¥6,800 〜¥8,500で250 〜300g の肉が登場する

選び抜かれた肉の美味さを生かす
他のどこにもないカッティング技術

「牛肉は決して重く食べさせてはいけない」というモットーのもと、脂の融点が低く、切れのいい牛を選んでいるだけでなく、自分がこれぞと惚れ込んだ和牛をより美味しく仕上げ、お客に喜んでもらうにはどうすべきかを常に考えた、独自のカッティングが見事だ。

テクスチャーや口溶けの良さ、食後感などを考慮し、試行錯誤の末に編み出されたまさに職人技と言えるだろう。そう、ここ『炭火焼肉なかはら』の肉の素晴らしさはむしろそこにある、と言っても過言ではない。

肉の繊維の走り方を見極め、一枚一枚を手切りする。ゼロコンマの単位で厚さを微調整、版の大きさにも気を配る芸の細かさが、例えば口中でとろけるサーロインのデリケートな食感や独特の噛み応えがくせになるブリスケ、鉄分の旨みが味蕾に染みるハラミなどの部位それぞれに異なる持ち味を見事に引き出している。

裏メニューの「牛ヒレカツ」。贅沢にも、ヒレ肉の中でも最も上質なシャトーブリアンを使用。狐色に揚がったサクサクの衣をカットすれば、ご覧のとおりの鮮やかさ。ロゼ色の肉片にかぶりつくや品のいい肉汁が口中に溢れる

「同じ味の牛はふたつとありません。それを常に平均的な味に持っていくのが、僕の役目。いつ来てもベストな状態で提供する。職人としての腕の見せどころですよ」力強いこのひと言に、中原氏の焼肉職人としての矜恃が込められている。

「ガーリックライス」も裏メニューのひとつ。ライスの中に入っている食べ応えのある肉は、一頭から3 〜4㎏しか取れない肩ロースの芯の部分のザブトンを使用。サーロインよりも霜降りが強く、柔らかい

焼肉職人のステータス向上
中原氏の想いはそこにある

そして今、中原氏が思うところは焼肉職人のステータスの向上だ。

“レストラン”としての焼肉店の確立を目指して、日々切磋琢磨し、日本の食文化として和牛の有り方を念頭に入れつつ肉と向き合う――。そんな中原氏の覇気が店全体の活気へと繋がり、引いては客を惹きつける大きな吸引力となっている。

明日は続いて「RESTAURANT OF THE YEAR2015」2店舗目が登場。

激しい討論の末に決定された、2015年を代表するレストランとは。お楽しみに!

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

Pencilコメントする

コメントはまだありません。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo