国の文化財に泊まれるの！？大人が行きつく『登録有形文化財』の宿7選(3/4)[東京カレンダー

国登録有形文化財の宿伊藤屋（神奈川）

出典：relux|国登録有形文化財の宿伊藤屋

湯河原温泉万葉公園の前に佇む伊藤屋は、明治21年に創業された老舗旅館です。島崎藤村が「夜明け前」の原案を練った宿として知られ、今でも遺稿と愛用品が残されています。

当時の別館「光風荘」は昭和初期の2.26事件の舞台となり、襲撃により全焼しました。現在は本館のうち2棟と門柱・石垣が国の文化財として登録されています。

出典：relux|国登録有形文化財の宿伊藤屋

五十二番の部屋は、明治天皇の侍従長であった徳大寺公爵が滞在されるために建てられたお部屋です。本間10畳、次の間6畳、化粧間4.5畳の、当時のままのゆったりした造り。

窓の桟や鴨居のひとつひとつに繊細な意匠が施され、職人の匠の技を随所で垣間見ることができます。窓の手吹きガラス越しにゆらいで見える外の風景を眺めながら、歴史に思いを馳せて過ごしたいですね。

詳細情報：relux｜国登録有形文化財の宿伊藤屋
所在地：神奈川県足柄下郡湯河原町宮上488
参考価格：1名様あたり 18,500円～（消費税込／1泊2食付き2名利用時）

文化財の宿新井旅館（静岡）

出典：relux|文化財の宿新井旅館

文化財の宿新井旅館は、日本百名湯に選ばれている伊豆修善寺温泉の地で明治5年に創業。明治から昭和初期に三代目館主を務めた相原沐芳が文人墨客と親交が厚く、日本画や文学など数多くの作品がこの宿から生まれました。

客室棟や大浴場など15件の建物が文化財として登録されており、宿泊客以外も参加できる「文化財ガイドツアー」も行われています。

出典：relux|文化財の宿新井旅館

昭和9年に建築された天平大浴場も文化財として指定されています。総檜造りの建物に伊豆石を使用した浴槽を設え、柱石には人夫20人がかりでも1日15センチしか動かなかった巨大な石を据えています。

正面玄関のある月の棟は平等院鳳凰堂を模したと伝えられる格式ある作り。桂川のせせらぎに耳を傾け、竹林からの風を感じる静かな時間が過ごせます。