美味しい途中下車の旅!世田谷グルメを満喫する小田急線沿いの極上レストラン13選

「仔羊の藁包みロースト」。ソースはフォンドヴォーにマスタード少々とバターを。上にのせたマルドンの塩だけでも十分美味。直火にあてずに焼けばこその、ジューシーな美味しさだ。付けあわせはジャガイモ灰埋めロースト

仔羊特有の風味が広がる一皿
『フィオッキ』

祖師谷大蔵

テーブルに運ばれてきた紙包みを開けば、どこか干し草を思わせる独特の薫香と共に、米藁に包まれた仔羊が姿を見せる。その柔らかな藁の香りを身に纏い、しっとりと焼きあげられた骨付きの仔羊に刃を入れれば、美しいロゼ色の断面が現れる。これが、『フィオッキ』の名物料理「仔羊の藁包みロースト」。堀川亮シェフのスペシャリテである。

「本来は、畑仕事に出る時に藁で包んだ仔羊を焚き火に置いて作った料理」だそうで、堀川亮シェフが修業時代を過ごしたピエモンテ州のトッレ・ペッリチェ渓谷に伝わるヴァルド派の料理だ。

右.オーストラリア産の仔羊を増田農園の米藁と干したよもぎで包んで焼く 左.200℃のオーブンに出したり入れたりして焼きあげる

この伝統料理をリストランテの一品に昇華させたのが、修業先『フリッポー』のシェフ、ワルテル・エイナルド氏だとか。

滋味深く仔羊特有の風味が広がる一皿は素朴ながらも、長い歴史に育まれた料理ならではの風格が漂う。

カプリチョーザ。薪窯ならではの燻香がトマトの風味を引き立てる

祖師谷大蔵・薪窯で焼かれたピッツァはしあわせの味がする『アオジ・ソシガヤ』

すべてにではないが、ピッツァ窯の炉床下には、験かつぎのコインが埋まっているという。商売繁盛の願いを込めた“おまじない”とのことだが、人生をめいっぱい楽しむイタリア人らしい、とてもチャーミングな発想ではないか。

2010年9月に世田谷区の祖師ヶ谷大蔵にオープンした『アオジ・ソシガヤ』の薪窯に、件のコインが埋まっているかは定かではないが、その繁盛ぶりから推測するに、窯の下にはキラリと輝く“お守り”があるような気がしてならない。

左.ピッツァ ビアンケッティ。シラスと生海苔がたっぷり。旬の味を堪能しよう 右.カウンター席では、薪のはぜる音を楽しむことができる

店主の後藤繁則氏は、もともとイタリアンのシェフとして都内のリストランテで料理長を務めていたが、ピッツァの「不確定要素が多く、数字で表すことができない奥深さ」に惹かれて29歳でピッツァイオーロに転身したという。

「自分でやるからには紋切り型のピッツェリアにしたくなかった。サイドメニューをつまみにワインを飲んで、締めにピッツァを食べる。例えば、蕎麦屋みたいな楽しみ方が出来る店があってもいいんじゃないかなと思ったんです」

薪窯ならではの香りを纏ったピッツァにのせる具材は、それぞれの味が伝わるようシンプルに。サイドメニューやワインも楽しんでもらえるよう、ピッツァのサイズは、やや控えめに――。

既成概念に囚われず、ゆっくり目指すべき道を行く。そんな店主がいる店で、幸福のコインは、いつまでも輝き続けるのだろう。

※こちらの店舗は現在休業中です。

成城学園前・木の温もり溢れるカウンターでワインを『ストンウェル』

成城の雑居ビルの一角に突如現れるのは木の温もりを活かした洗練のカウンター。意外性の演出にぴったりなここ、実は地元の老舗酒屋が開いたワインバーだ。

メニューにはワインに合うおつまみが常時揃う。カウンターで肩を寄せ合いながら、ワインをグビグビと進ませ、週末の夜に酔いしれたい。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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