SPECIAL TALK Vol.4

~多様性が求められる時代だからこそ自分流の視点を持つことが重要~

他の人と同じであることを望まなかった学生時代

金丸:佐々木さんは、どんな高校生だったのでしょうか?

佐々木:ユニークだったと思います。中学からの話になりますが、私が通っていた横浜国立大学附属横浜中学校は、卒業すると同じ敷地内にあった県立高校に進むのが一般的でした。いずれ、附属高校になる予定だったようですが、私たちの学年のひとつ前でその高校が移転してしまい、どこの高校を選ぶかを考えなくてはならなくなったのです。

そのとき「みんなと違う道を歩きたい」と思って、珍しい高校を探しました。当時、公立高校で、普通科でも職業科でもなく、日本で唯一「外国語科」だった神奈川県立外語短期大学付属高等学校(現・神奈川県立横浜国際高等学校)を見つけ、興味を持ったのです。英語教育が豊かで、第2外国語としてフランス語かスペイン語を学びます。

そして、校則がない、制服がない、上履きがない、時計がない、ベルがならない、というところにも惹かれて(笑)。外国人の先生もいっぱいいる学校でした。

金丸:横浜ならではの自由な学校ですね。

佐々木:はい、あまりに特殊なので、全県学区といって、神奈川県民なら誰でも応募できる学校でした。ですから語学に長けたすごく優秀な人が県内中から集まっていました。入学時に英検一級を持っている人も多かったですからね。そんな学校ですから、私の英語の成績はいつも平均以下。ビリから2番目のこともありました。英語の先生に「佐々木さんはさすがだねえ。絶対ビリにならないんだから」なんて嫌みを言われたり(笑)。

その後、大学受験の頃は、大学に興味を持てませんでした。アルバイトで貯めた自分のお金で進学するのに、行きたい大学がないと思っていました。日本の大学生は遊んでいるイメージしかなかったのです。でも、そんなとき、上智大学の外国語学部に比較文化学科が誕生し、英語だけで授業が行われ、アメリカの大学のように厳しい環境で勉強できると聞きました。それも、一般の大学受験をせず、TOEFLとSATとエッセイ、面接といったアメリカの大学入試と同じ受験方法で入学審査が行われると。「これだ」と思ったんです。みんなと違う道を見つけたと。

金丸:何か、高校進学と似たものを感じますね。その頃はどのようなアルバイトをされていたのでしょうか?

佐々木:高校1年生のときに、コンサート会場でコンサート案内チラシを配るアルバイトから始めました。その後、会場内でプログラムなどの販売を手伝ったり、楽屋でミュージシャンのサポートをしたり。ほかにも、日英での会場アナウンス、あとは、夏の野外コンサートの事務局の仕事などをやっていました。結局9年間、ずっと同じ会社にお世話になりました。

金丸:普通は女子学生がアルバイトをやるとなると、ファミレスや喫茶店、レストランになりがちです。

佐々木:そうですね。でも、お店での立ち仕事や、シフトに組まれる仕事は学生には合わないと思ったのです。試験のときに困るかな、と。そこで、自分で電話帳をめくって、音楽関係の会社を探し、電話して、アルバイトをみつけたんです。

金丸:お話を伺っていると、佐々木さんのもとには、いつも突然変化が訪れているように感じます。そして、変化を受け入れ、すぐに行動を始めている。その行動を始めるときの思考が、とてもシンプルで正しいと思うんですよね。

佐々木:正しいかはわかりませんが、確かにとてもシンプルですね。そのとき与えてもらったもの、目の前のことに、いつも全力で取り組んでいました。私の人生は、今もそうです。

金丸:しかも、他の人と同じであることを望まない。むしろ、違うことを好むわけです。

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