分厚い塊肉しか食べた気がしない貴方に贈る、肉の名店5選

1本500g。ほかにもロースカツ300gも。2 、3 人で両方オーダーし、食べ比べてみるのも面白い

『ポンチ軒』
究極のヒレ一本揚げ

新御茶ノ水

とんかつフリークを自認するなら、一度は試してみたい逸品が、ここ『ポンチ軒』の名物「究極のヒレ一本揚げ」である。豚は、旨みの濃い沖縄豚。これをゴマ油とコーン油をブレンドした揚げ油で静かにゆっくりと揚げていく。

「中心部まで火を通しつつ、パサつかせないよう揚げるには、温度のキープが肝心。140℃をキープしながら、約15~20分ほど揚げたら、今度は145℃に揚げて約5分。周りをカリッと揚げ切る」のが、『ポンチ軒』スタイルだ。

対して、サクッと艶やかな衣の中から現われたのは、肉汁を湛えて潤う肉片。仄かにピンクを帯びた芯の部分が、キュイソンの見事さを物語る。このギリギリの火加減から生まれるジューシーさも、500gの塊で揚げればこそだろう。カツはロースに限るという向きも納得のおいしさだ。

ちなみにこの店、フライの旨さで定評のあったあの赤坂『フリッツ』のリニューアル店。そう聞けば味の方は推して知るべしだろう。

抜群の火入れが堪能できる仔牛のローストは500グラム。要事前予約

『アンビグラム』
仔牛のロースト

広尾

まるで肉のオブジェの如きこの迫力!

肉ラバーならずとも思わず息を呑む豪快な一品は、イタリア料理店『アンビグラム』の一押しメニューだ。

同店の代表マネージャーは、あの『ドン・チッチョ』で表の顔を努めた米津真寛氏。ここでは、『ピンキオーリ』などのリストランテ畑を歩いてきた伊沢浩久シェフとタッグを組み、リストランテの繊細さとトラットリアの骨太さを兼ね備えた新たな味とスタイルを目指している。

肉料理も然り。写真の仔牛のローストにしても見た目はダイナミックながら、焼き方は緻密。伊沢シェフ曰く「カナダ産の仔牛を骨付きのまま、最初は180℃のオーブンで10分。次に120℃で20~30分焼いた後、オーブンから出し、更に15分程休ませる」そうで、仕上がりをカットすれば、中心部は仄かなピンク色。

ともすれば淡白すぎて旨味を十分感じられないことの多い仔牛だが、これは別。シルキーにしてミルキーな旨みが優しく広がる。食べる際はトマト味のパン粉とマスタードを付けて供される。

仔豚の丸焼き。8人~10人程度でのオーダーがおすすめ。予約は1週間前に

『アメッツ』
仔豚の丸焼き

田原町

仔豚の丸焼きといっても、中華ではなくこちらはスペイン版。“コチニージョ・アサード”と呼ばれる、スペインはセゴビア地方の名物料理だ。

「セゴビアを中心に、スペインでは全国で見かけますよ。スペイン人にとっては一番のごちそう。いわば肉食文化の象徴ですよね。専門店も多いですよ」

オーブンから、仔豚を取りだしながらこう語るのは、服部公一シェフ。バスク州のサンセバスチャンではじめて、マドリードやカタルーニャ地方で5年間におよぶ修業の後、帰国。故郷の浅草に店を構えたのが2010年。

モダンスパニッシュを学びながらも、自らが心惹かれたのは伝統的な郷土料理だった。仔豚の丸焼きにしてもスタイルは極めてオーソドックスだ。

スペインから取り寄せる豚は、生後約28日。これを塩で焼くことおよそ3時間半。イベリコ豚のラードを塗って焼き上げた皮はパリパリ。煎餅のような軽快な歯触りが身上だ。対して肉はふわっと柔らかい。おすすめはバラ肉。脂とゼラチン質が一体化し、とろけるようなおいしさだ。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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