丼ものはコスパの塊!千円台の奇跡丼5選

かつ好きを唸らせる丼界の至宝!味噌汁、お新香、キャベツ付き

『とんかつ やまいち』
かつ丼 1700円

重さ・約130g、厚み・約2㎝。と、なかなかにボリューミーなプロポーションのロースかつが鎮座ますかつ丼は、ご覧の通り黄身と白身のコントラストも美しく。

オープンして以来、“とんかつの名店”としての地位を確固たるものにしている『とんかつ やまいち』。定食を頼むお客が多いとはいえ、かつ丼にも熱烈な支持者が多く「これしか食べない人もいる」そうで。

豚肉は、特に銘柄は決めていないが「脂質と肉の線維の細かさ」を厳しく見て、細々とした下処理をせずともおいしく仕上がる肉を選んでいる。油は、綿実油をベースに胡麻油も少々。これが豚の脂の持つクセをほどよく抑える役目を果たす。

美しく磨き上げられた銅製の鍋の中で、衣が次第に食欲をそそる揚げ色に変貌していく。箸に伝わる重さで揚がり具合を確認したら、特注のカツ切り包丁で、衣の食感を損なわぬよう素早くカット。

鰹・昆布・焼き干しのだしが効いた丼つゆ入りの親子鍋にカツを並べ、ごく軽くかき混ぜた卵2個を流し入れたらフタをして……、完成。

分厚いのに軽やかな脂身と軟らかな肉。それを、香ばしさを残しつつも丼つゆと卵でややしっとりとした衣が包み込む。箸を付ければ最後、後はかつとご飯をひたすら往復すること確実。嗚呼……幸せ!

旨い・早い・安い! 丼のホームラン王ここにあり。お椀、漬け物、小鉢付き

『末げん』
親子丼 1000円

鶏肉と鶏卵が使われていてれっきとした“親子”なので、便宜上「親子丼」とさせていただいたが、こちらの正式な名称は「かま定食」。ご覧の通り、標準的な親子丼とは若干様相が異なっている。が、これこそが、新橋の老舗鶏割烹『末げん』の、お昼の名物丼である。

軍鶏、地養鶏、合鴨の3種類を丁寧に2度挽きし、それを割り下でさっと煮た後、卵でとじる。……と書くと、なんだか事も無げに見えるかもしれないが、ちょっとした火加減で仕上がりが大きく変わるという、さりげなく見えてその実、繊細な品。

上品な味付けと半熟の卵とを纏った挽き肉は、とろとろ仕上げ。咀嚼せずとも、滑るように喉を通る優しい食感がなんとも心地よい。

「かま定食」は、1987年に昼の営業を始めた際、品書きに登場した。もともとは、店の看板メニューである「わ」(鶏のスープ炊き鍋)用に、毎日大量に仕込む挽き肉を使って手早くできるものとして、店にお客を連れてきた運転手さんや出入りの人などに振る舞っていたそう。いわば賄い的な、働く人のお腹と心を満たす丼だったのだ。

平成8年に新装し、かつての黒塀の趣ある店構えこそ懐かしいエピソードのひとつとなってしまったが、丼に込められたホスピタリティは、今なお変わることなく。

野趣溢れる鰻をすっきりダレで食する。お吸い物、お新香付き

『ひょうたん屋 六丁目店』
鰻丼 1550円

鰻の蒲焼きといえば、関東は「背開きして蒸してから焼く」、対して関西では「腹から開いて蒸さずに焼く」が定説だ。が、『ひょうたん屋』の鰻は、いわば東西ハイブリッド方式。「背開き」で「蒸さずに直焼き」なのだ。

関東の鰻に慣れ親しんでいると「蒸さないと硬いのでは?」と思うかもしれないが、その日その時期に一番柔らかい鰻を仕入れているので心配ご無用。

また、蒸さないことにより身が脂をしっかりと湛えていて、その結果焼き上がりの香ばしさがより高まっている印象。甘さを控えて、キリリ&さっぱりめなタレともバランスがいい。

焼くのはもちろん炭で。食欲をそそる風味は、やはり炭火ならではのもの。そして、丼のもうひとつの重要な要素であるご飯には、年間契約している新潟県中魚沼群津南町の農家から直送されるコシヒカリを使用。これを昔ながらの釜で炊いている。

また夜は、鰻以外の料理があれこれと。食べて飲んで、〆にちび丼を頼めば、昼の顔である鰻も味わえる。

平日のランチに真っ当な鰻丼が1550円で味わえるとあって、毎日だいたい13時前には売り切れてしまうとのこと。店の入口に「丼売り切れました」の札が出される前に、滑り込めることを祈念!

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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