速水もこみちの夜BAR、夜メシ、夜レシピ Vol.4

速水もこみちが体験!時間の感覚を狂わせる暗闇ビストロ

curated by
速水 もこみち

異国にタイムスリップした気分でワインを飲む夜

初めてここ『ダム・ジャンヌ』を訪れる客は、誰もがドアを開けた瞬間に驚くはず。なにせ足元が見えないくらい暗く、“本当にレストラン!?”と思うほど。店内の照明はじんわりと燃える細く長いキャンドルのみ。

しかも人のいる席しか火が灯されないので、一番目の客ならことのほか暗い。すぐそこの賑やかな渋谷の街から一変、非日常的なディープさに包まれるのだ。

鴨足コンフィーとカスレ¥2,400。サービスはゆっくりめで1品に30分かかることもあるので、ぱっと食べて帰りたい人には不向きな店

「周りのお客の顔もよく見えないのがいいですね。個室じゃないのに相手と落ち着いて話せそうです。それに、夜が更けるにつれ短くなっていくキャンドルと同じ時間を過ごすというのも粋。そんなゆったりとした時間は普段なかなかもてませんから」

そう速水氏が話すように、微かに揺れる灯を隣にワインを飲んでお喋りに興じれば、いつの間にか時間の感覚がなくなる。店主の松野隆之さんによると、なんと最長で7時間ここに座っていた客もいたとか。

内装のイメージは、松野さんがフランス修業時代に働いていた店のマダムの別荘。パリ近郊にあったその別荘で体験したのがキャンドルの晩餐だった。

いつになく味付けを気に入っていた速水氏

その雰囲気に近づけるため、内装はパリの蚤の市で買いつけた一点もので揃えた。銀の蝋燭立ては1900年初頭に作られた貴重なもの。そんな細部にこだわって作り上げた異空間で食べる料理に、速水氏は二度目の驚きをもったよう。

「鴨の皮がパリっとして、味付けは黒胡椒が効いてスパイシー。こういうカスレは初めてですね。メニュー全体を見て、予想よりも手頃だなと思いました」

料理はお酒好きな店主ならではの、ワインが進むフランスの伝統料理。色っぽい空間のなか心地よく酔えるので、一見デートにいいかなと思うけれど、実は友人や仕事仲間との食事にかなりはまる。終電も気にせずじっくり語れば、普段言えない話が飛び出したりするのである。

メニューは手のひらサイズの小さなもので、暗くて読みづらいのもご愛嬌

ろうそくの灯りが灯る店内。この重厚な雰囲気が心を落ち着かせる

■プロフィール
はやみもこみち 1984年生まれ、東京都出身。日本テレビ系『ZIP!』内の料理コーナー“MOCO’Sキッチン”に出演。MOCOMICHI×NIHONBASHI 共同プロジェクト「日本橋もこみち1883 "まぜふり"」日本橋三越本店にて発売中。毎週木曜21時 TBS系「37.5℃の涙」篠原健介役で出演中

■衣装
スーツ¥313,200、シャツ¥57,240、タイ¥30,240、ベルト¥60,480、チーフ¥17,280

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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