シェフと自転車屋と音楽家で創った下北沢の新店が、話題!

皮ごと食べられるキウイに、塩漬けの生コショウとマジョラム、ディルの花を散らした、まるで現代アートのような一皿

森枝シェフは、シドニーの『TETSUYA'S』で働いた後、『湖月』、『タパスモラキュラーバー』、『246コモン』で腕を揮ってきた。店に立つラフな格好同様、店内の雰囲気もラフで心地よい。料理は10品¥6,500のコースのみ。その内容がまた変態的。酔っ払い海老や鹿カツと、ジャンルに捉われない料理に人々は戸惑い、次の一皿への期待が高まる。

それは、日本酒やワイン、ビール、〆の三河みりん! というお酒のセレクトにおいても然り。マニアックな品種と捻りあるペアリングが独創的な料理を一層楽しくしてくれるのだ。

「“美味しいものを作りたい”が前提。そこに、料理の気づきや、おもしろいねと言われる要素を落とし込んでいる」と森枝シェフ。

食材は青山のファーマーズマーケットや渋谷のチーズスタンド、群馬の農家の野菜、山梨の鹿肉など、繋がりのある人たちから直接仕入れる。

そんなアナログな交流の一方で、facebookやinstagramで客と関係を構築していく様はまさにSNS世代の象徴のような存在。

アローカナとアスパラのフラン。青い殻のアローカナの卵は世田谷の園芸場から仕入れる

ライチは白ワイン、海老は日本酒と鮎の魚醤でマリネ。遊び心溢れるサプライズ付き!

森枝シェフの世代は、フランスなどの王道ではない国で修業をした人も多く、和と洋などとジャンルを組み合わせるマッシュアップ的な感覚も併せ持つ。その独特の感性が、旧来のシェフ世代とは一線を画す。さらに、この立地についても、森枝シェフならではのこだわりがあるという。

「枠に捉われない個性的な料理を提案できるのが僕らの世代。今は食べる側の舌も気持ちも成熟していますから、若いシェフでも料理とコンセプトに自信があれば、立地に拘らずとも足を運んでくださると思うんです」。

狙い通り、術中にハマったヒップな人々が今日も店を訪れる。

名物のフィッシュ&チップス。骨抜きしており頭から尻尾まで丸ごといただける。魚は日替わりでこの日はカマス。山菜のタルタルをたっぷりと

鹿カツは、一瞬だけ火に通しほぼレアの状態で。「山梨県早川町の猟師が狩った鹿肉は、臭みがまったくなくて肉質が柔らかい」と森枝シェフ

ズッキーニとリコッタ、ラベンダーミント

さしすせそのプティフール

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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