製法や素朴なギモンをおさらい! ビールの基礎知識 Vol.1

知れば100倍美味くなる! ビールの基礎ABC

curated by
藤原ヒロユキ

Q. 05
ビールって何種類あるんですか?

細かく分けると140以上の種類がある

ビールはまず大きく上面発酵酵母で造るエールと下面発酵酵母で造るラガーに大別できる。また、空気中を浮遊する野生酵母を使って自然発酵させるものもある。エールは「ペールエール」や「イングリッシュ・ブラウンエール」、ラガーは「ピルスナー」や「アメリカン・アンバーラガー」といったように発祥した地域や色によって細分化されていく。

さらに、ペールエールからインディア・ペールエール(IPA)と進化し、細分化が進む。また、上面下面のどちらの酵母でも造ることができるハイブリッドビールなどもあり、もっとも細かい分類法では140種類を超えている。

Q. 06
世界のビール大国って?また、国毎のビールの特徴を教えてください。

ビールの大国は、北ヨーロッパと北米が中心

北ヨーロッパはアイルランドからドイツやチェコまで。この地域ではブドウが採れなかったため、古くから麦を原料とした酒造りが行われていたのだ。果糖を持つブドウは潰せば発酵が始まるが、麦はでんぷんしか持たないため糖化という作業が必要となる。

これは人間が知識や文明を得たからこそなせる業である。北米ではヨーロッパからの移民がビール造りを伝えた。1960年代以降は、クラフトビールによってさらに創造的なビールが生まれていった。

【ドイツ】
ビール大国は硬派 さまざまな銘柄が混在

ビール消費量は第3 位。ジャーマンピルスナーなど下面発酵ビールとヴァイツェンなどの上面発酵ビールがほどよく混在。最近は、アメリカン・クラフトビールの影響を受けたビールも多い。代表銘柄は「フランツィスカーナー」。

【アイルランド】
濃厚な味わいのスタウトが生まれた国

スタウトの生まれ故郷。ロンドンで流行していたポーターというビア・スタイルに、麦芽化せずにローストした大麦を加えて造ったところ大人気に。他にはアイリッシュ・レッドエールも発祥。日本でも馴染み深い「ギネス」が代表的。

【アメリカ】
小規模醸造の流れを作ったアメリカ

ゴールドラッシュ時にスチームビールが誕生。その後、ナショナルブランドが席巻した時代もあったが、1960 年代から始まった小規模醸造の流れは創造的なクラフトビールとして世界に根付いた。代表銘柄は「アンカースチーム」。

【チェコ】
世界一のビール消費を誇るピルスナーの発祥国

下面発酵ビールの代表的なスタイルであるピルスナーの発祥国。国民ひとりあたりの年間ビール消費量は20 年近く世界一。下面発酵ビールが人気だが、最近はエールを造る醸造所も現れている。代表銘柄は「ピルスナーウルケル」

【ベルギー】
多彩な銘柄と味わい 華やかな印象が強い

多彩なビールの宝庫。甘い、酸っぱい、苦いといった味わいのビールがある。アルコール度数が高いビールも多く、9%〜13%といった銘柄もある。スパイスやフルーツなどを使ったビールも豊富。代表銘柄は「カンティヨン・グース」。

【イギリス】
パブで飲むのはエールが主流

パブ文化とともにエール文化が花開いた国。ペールエール、インディア・ペールエール、スコティッシュエールなど数多くのエールを楽しむことができる。樽で熟成させるエールは微炭酸でなめらか。代表銘柄は「バスペールエール」。

いかがだったでしょうか? ビールの製法や世界のビール事情は、何となく知っている……程度のものも多かったのではないでしょうか? ぜひ、正しい知識を身に付けて、夏のビールを楽しみましょう! そして、次回はビールの基礎を一層掘り下げていきますので、乞うご期待を!

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