BIG BANGを解明する!?
日本に誘致するための48カ国料理

curated by
昌保 博之

こちらがホテルニューオータニがつくりあげた各国の料理メニュー。

2020年の東京オリンピックのあと、ネオ・オリンピック事業として、いま注目され始めているのが「国際リニアコライダー計画」である。これは、世界最大の加速器の研究施設を日本に誘致しようというプロジェクトで、素粒子の研究によって宇宙の起源であるビッグバンを解明するともいわれている。その施設を日本につくり、世界中の研究者たちが集まって研究をするという壮大な計画なのだ。

茨城県つくば市にあるILCの試験加速器「クライオモジュール」。

ILCが建設されると、これが20キロメートルにわたってずらりと並ぶ。

その「国際リニアコライダー計画」の推進のため、世界48カ国から素粒子物理学の研究者300人がホテルニューオータニに集合し、シンポジウム、学会の最終日に“思いを一つにする”イベントが4月22日に開催された。

「国際リニアコライダー計画」に参加する48カ国の郷土料理の一部。さらにバンケットは48カ国の料理だけにとどまらず、日本各地の名産品や銘酒も並び、書道家川尾朋子のパフォーマンスや煎茶道美風流家元によるお手前も振舞われた。

このとき集った世界48カ国の科学者たちが驚嘆したのが、その会場に並べられた各国の郷土料理である。言葉も宗教も人種も超えた研究で大切なのは、お互いの国をよく知り、ひとつの目標に向かって邁進すること。そんな思いを込めてホテルニューオータニが食文化からのアプローチに挑戦し、「国際リニアコライダー計画」に参加する48カ国の郷土料理を完成させたのである。

ホテルニューオータニの西洋料理料理長である西口章二さん。1981年にホテルニューオータニ東京に入社。2003年、トゥールダルジャン東京料理長に就任。2011年に現在の西洋料理料理長に就任した。

ホテルニューオータニの西洋料理料理長である西口章二さんも「48カ国の料理を一度に調理したのはこのホテルはじまって以来のこと。メニューの考案はもちろん、レシピだけではない、その国の本物のエスプリを表現するのが至難の業だった」と語る。

2020年の東京オリンピックの開催決定によって、東京の食文化が世界から注目されている。その最中でこの「国際リニアコライダー計画」が決めれば、さらに世界各国からの注目は高まっていくに違いない。

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