食べログ3.2以下でも間違いなく名店! Vol.2

キクゾウ

きのこ鍋がウリの知る人ぞ知る『喜玖蔵(キクゾウ)」(白金)食べログ3.03

各界のトップや、世界中で活躍する人々が
足繁く通い、嬉々として紹介する店
※ポイントは2015年1月19日時点のもの

最初のきのこ鍋は、白きくらげ、平茸、やまえのき、舞茸など8種のきのこのほか、極細切り、豚肉、白菜、なす、大根が入り、黒胡椒がピリリと効く。メニューは、コースがひとつのみで¥5,250。この鍋に、前菜と焼き餃子がつく

広尾と目黒を結ぶ外苑西通りの一本裏路地、首都高速2号目黒線下。古い商店街の一角にその店は、あった。シャンパンはバカラに注がれ、鍋は伊賀焼の陶器、食後にはマイセンのカップでエスプレッソ、よく見れば店内のあちこちにメートランドスミスのインテリア。実に幻想的な空気に包まれ、訪れた誰もがそのユートピアのような雰囲気と至福の鍋に恍惚となる。

とても小さな店だ。だが、集まる客は自分たちの時間を楽しめる大人。隣のテーブルを気にする人はいない。

さて本題の鍋。ほかでは口にすることはできないだろう。最初に運ばれてくるきのこ鍋を三度、味を変化させて食す珍しい鍋。そのスタイルは確かにインパクトがあるが、味わいは終始繊細だ。

細かいレシピを伝えてもいいのだが、それをする意味が見つからない。なぜならこの鍋、マダムの父上が作っていたもの。家族が刻んだ時が作りあげた味ゆえ、決して再現できるものではないのである。

マダム大原純氏がひとりで作るこの鍋と店の雰囲気に、一度食べた客が続々と、もてなしたい人を連れてくるようになり、予約が難しい今に至る。予約リストには驚くような著名人の名も。

紹介制の隠れ家で、予約が取れないので容易に口にできない。これこそが、こちらが食べログ3.2以下という低評価になってしまったカラクリである。ただ、この限られたもののみが知ることができ、食した誰もが喜んでくれる鍋だからこそ東京カレンダーが、全力で評価するのである。

一、きのこ鍋の途中で酢と粉山椒を加える。酸辣湯のような味わいになり、表情がガラリと変わるのがおもしろい

二、 餃子もマダムの父上から継承されたレシピ。ツルッと雲呑の皮のような軽い喉越しで、生姜が効いた味わい

三、〆は、餃子がなくなったら、豆乳と芝麻醤で味を変えて担々麺に。やさしい余韻を残す、まろやかさがいい

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