変わりゆく東京、進化するグルメ 「東京美食エリアガイド」 Vol.18

『人形町』
通好みの美味界隈

歴史を受け継ぐ老舗の街・日本橋内で、通好みの美味処が暖簾を掲げる人形町。
この地にまたひとつ、口福を運ぶ和食の名店が灯をともす。

カウンター主体の店内で、質を維持しながらよりリーズナブルに美味を供する、店主の石井仁氏

ニギョウ

仁行

香味高き蕎麦と自在な酒肴。
あの名店が、新天地で再び。

伝統の中に新しさが息づく、昨今の人形町界隈。舌の肥えた大人たちが集う新旧の名店が立ち並ぶ中に、またひとつ、通をうならせる一軒がオープンした。

その名は『仁行』。主人はあの、『古拙』の石井仁氏と聞けば、味のほうは推して知るべしだろう。けれんなく、それでいてさりげないセンスが光る料理と独自の手法で打つ極細の蕎麦で、ミシュランの星まで獲得した店を閉め、心機一転。よりシンプルかつリーズナブルにと、時代に見合ったスタイルを求めての再出発である。

とはいえ、扱う素材の質、蕎麦の味は今までと少しも変わらない。コース4200円からと以前に比べぐっとお手ごろになった分、いわゆる“椀刺し”といった懐石的要素は希薄になったものの、お椀代わりに天然舞茸のつゆ蕎麦が小ぶりのお椀で供されたり、いくらと湯葉、アオリイカの梅肉和えといった気の利いた酒肴が緩急自在に登場する。

そして、締めの蕎麦はせいろとぶっかけ。コシの強さとのどごしの良さを追求した十割蕎麦は、素麺の如き細さにもかかわらず、しなやかなコシを歯に残しつつ、スルリと喉元へすり抜ける。と、その瞬間、口中に広がる香味に、思わず笑みがこぼれる。

ランチタイムには、天然本鮪を使用した『古拙』時代からの人気メニュー“古鉄丼”も健在だ。

おろし蕎麦。夜のおまかせ蕎麦膳¥4,200〜のひと品。辛味大根を添えた冷たい蕎麦ともりの2種が供される

左.古鉄丼¥2,100。ランチタイムの人気メニュー。せいろと本鮪の鉄火丼、デザート付き。これ以上ない内容

右.装飾や意匠も控えめにした佇まいもまた通好み。舌の肥えた客が連日足を運ぶ


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