お手頃、本格、美味! 行きつけにしたいカジュアルレストラン Vol.3

クダンオオツカ

九段 おおつか

緑豊かな靖国通りに和食の新星がオープン

雲丹の炊き込みご飯。料理は全て8,800円のコースより

九段下から市ヶ谷へ向かう靖国通りは、四季を楽しむのにこの上ない散策道だ。日本武道館、北の丸公園の緑を横目に靖国神社へ。都心でありながら繁華街にはない落ち着きと風情がある。その界隈に今年4月、一軒の和食店が誕生した。

『九段おおつか』は、大塚和馬さん、花恵さん夫妻が夫婦で営む小さな店だ。和馬さんは西麻布『茶寮つくし』での修業を経て独立。花恵さんは修業時代を共にした元同僚で、同店から先に独立した五十嵐明良氏の『和の食いがらし』でオープンから2年余りサービスを務めていた心強き伴侶だ。

そんな夫妻が「ハレの日ではなく、ちょっと美味しいものが食べたいというときに寄っていただきたい」と話す通り、夜のコースは4800円から用意。衒いのない皿からは、初々しく誠実な志が感じられる。土鍋で炊く炊き込みご飯がスペシャリテというのは修業店の系譜だ。常時3~4種から選べ、鯛、鴨、雲丹と贅沢な食材が並ぶ。

店には無酸素、窒素充填式のワインサーバーがあり、北フランス産を中心に揃える8種のワインが全てグラスで楽しめるというのも嬉しいところ。純米系を中心とした地酒も6~7種。こちらは随時ラインナップを更新していく予定だという。

オープンからわずかひと月余りだが、ふらりとランチに訪れたゲストが夜に再訪するなど、いい形でファンが増えている。今後を期待したい新星だ。

右.揚物。独活とうすい豆真蒸の天ぷら 左.焼物。赤ムツと近江牛

テーブル席のほか、半個室もある

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