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  • 「終電までならいいよ」と言われ、男が2軒目に連れて行った意外な場所とは

    大人が知っておくべきは、上質なレストランやバーだけではない。

    男女のシーンを彩る場所。例えば、カラオケ。一般的なそれとは違う、艶やかなお店を知っていれば、ふたりの距離を縮めるきっかけになる。

    今宵、銀座・コリドー街の一角に、ふたりの男女が降り立った。

    向かう先は、雑居ビルに潜む〝VIGO〞という話題のカラオケ。

    金曜22時。ふたりには、どんな夜が待ち受けているのだろうか……。

    【登場人物】
    ・立花 晃(31)
    日系証券会社勤務。結婚を考えられるような、真面目で可愛い子を探し中。

    ・本村絵美(29)
    大手化粧品会社の広報担当。仕事も楽しいけれど彼氏募集中で結婚願望もアリ。


    「私のこと、どう思っているの?」

    銀座のイタリアンで食事中、何度もそう問いかけたくなった。

    今日で会うのは3度目の晃。出会いはマッチングアプリで、2回とも楽しいデートだった。

    でもいまだに微妙な距離があって、近づきたくても近づけないこの雰囲気に多少の焦りも感じ始めていた。

    「この後、もう一軒どうですか?」

    「はい!終電までなら……」

    また来た。いつも、食事終わりに2軒目には誘ってくれる。でも毎回バーへ行っては静かに飲んで解散…というのがお決まりパターン。

    だから今日も特に事態が動くことはないかと、タクシーへと乗り込む。

    「ここです。この上にカラオケがあるんです。きっと好きな感じじゃないかって。ほら、この前カラオケの話してたし」

    向かった先はにぎわうコリドー街で、タクシーは普通のビルの前で止まった。

    〝好きな感じ〞が何かわからなかったけれど、エレベーターが5階で止まり、扉が開いた瞬間に、思わず「え…?」と声が出た。

    目に飛び込んできたのは、ホテルのレセプションのようにセンス良く、お洒落でスタイリッシュなエントランス。

    「〝VIGO〞?ここって…本当にカラオケなんですか?」

    「そうなんですよ。一見わからないんですがビッグエコーの系列だそうで」

    照れくさそうに「以前、先輩に連れてこられて…」と言う晃が少し可愛い。

    受付を済ませて、部屋へと案内され、また驚いた。

    モダンシックな印象で各部屋にはホテルのようなルームナンバーが付いている。敷き詰められた絨毯が心地良く、ヒールで疲れた足が安堵しているようだった。

    部屋も圧巻。目を引く照明にデザイン性の高い壁面。広い窓からコリドー街を見下ろせて、大画面の液晶テレビとダーツまで完備。

    思わずSNSのストーリーにアップする。文面は「カラオケがゴージャス過ぎる」。

    廊下には絨毯が敷かれ、ダウンライトが灯る。部屋への移動時もムード満点

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