「やっぱりこの店が好き!」中目黒&代官山で、名物メニューがある人気店2選!

2.定番はすべてモツ料理!唯一無二のビストロ@中目黒
『Tatsumi』


昭和の風情を残す中目黒の商店街に、コアなファンで賑わうビストロがある。

定番はすべてモツ料理。フレンチ流の食べ方を広めた功績は大きく、いまだ唯一無二の存在感を放っている。

店内は縦長で、壁には廣瀬さんがフランスで集めた絵画が飾られている。奥のカウンターが常連たちの特等席だ


仔牛のタンはカリカリに焼き、アキレス腱はオニオングラタンスープに。フランス語で“アバ”と呼ばれるモツを主役に据えたビストロが『Tatsumi』だ。

オーナーシェフの廣瀬 亮さんが魅力に目覚めたのはフランスでの修業時代。

豚のゼラチン質がレシピの要である「フロマージュ・ド・テット」やハチノスを揚げた「タブリエ・ド・サプール」など、食肉が盛んな現地ではさまざまなモツを美味しく食べる文化が根付いていた。

手間はかかるが、驚くほど美味しくなる。その奥深さに触れ、好奇心は大いに刺激された。

「漠然と描いていた独立の夢と、料理への情熱が、本物に変わった」

変わらぬ逸品「アバジュレ」

長時間の下ごしらえが欠かせないため、本国でも作る料理人が少なくなった「フロマージュ・ド・テット」を再現。ニンニクマヨネーズを添えて。1,100円


2011年の創業時からある名物「アバジュレ」は、この日なら牛のトリッパとギアラ、リードヴォー、豚は足と耳、アキレス腱。

仕入れによって部位は替わるが、作り方は「フロマージュ・ド・テット」の応用だ。

現地では酢の効いたドレッシングで食べるが、食べやすさを重視し、甘みとコクのあるディップソースに変更。

なじみがない異国のモツ料理を、ネーミングだけでなく、美味しさも含めて分かりやすく“翻訳”する。つまりはそれが『Tatsumi』のスタイル。

直訳でなく、崩し加減が日本人に絶妙だったから、こうして不動の人気を獲得した。

真っ赤な扉はまるでパリのビストロ!期待が一気に膨らむ

目黒銀座商店街の外れに現れる、クラシカルなビストロ調の扉が目印。店名は店主・廣瀬さんの実家で、祖母の代から続いた宇都宮の定食屋に由来している


「実はアバをやめた時期もあったんです。そうしたら客足が減った」

求められるものが見えた今は、より真剣にモツ料理と向き合っている。近年は北海道の生産者から直に仕入れる部位もあり、その鮮度をシンプルに生かす料理にも取り組んでいる。

例えば、入荷次第で登場の「江別豚ガツのセビーチェ」はその代表。もはやフレンチにもとらわれておらず、発想は柔軟。

情熱は美味しいアバを紹介するという、一点にのみ注がれている。「もうブレません(笑)」。

オープンから10年の時を経ても変わらず強烈な個性を放つビストロが、どんな淑女をも満足させる。


宇都宮『オーベルジュ』で基礎を学び、ブルゴーニュ、アルザス、パリでも研鑽を積んだ廣瀬さん。

『フランスの内臓料理』(誠文堂新光社)という本の著者でもある。

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今年4月に入店した石野鼓子さんがサービスを担当。アバにオススメなのが、日本酒「五橋 ride 桃色にごり 純米大吟醸」グラス 800円。

ワインは、「ラ・スール・カデット」や「ドメーヌ・ニューマン」など、フランスを中心に、情熱的で、誠意ある造り手をリストアップする。グラス 1,000円~。

~注目!リアルな口コミ~
ユニークな日本酒片手に変幻自在のアバを堪能!


初訪問ながら、週末の夜に運よくカウンターで予約をゲット。

駅から距離を置いているため、落ち着いた客層で賑わっていた。



仲間と美味しい料理を食べながら、笑顔で会話も楽しむ。

長年愛される名店は、訪れた皆を幸せな気持ちにしてくれるのだ。


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