「慶應”幼稚舎″に入りさえすれば…」元丸の内OL29歳女がこだわる理由:お受験の答え合わせ【Q】

― 子どもを幼稚舎に入れたい ―

港区の妻たちの多くは、そう願う。

その前に立ちはだかる、ひとつの壁。それは、幼稚園受験だ―。

"御三家幼稚園"というものが、東京にはある。

今は無き松濤幼稚園に、若葉会幼稚園と枝光会付属幼稚園。

元丸の内OL・華恵(29)は、そのなかでも最も「幼稚舎に強い」と言われる若葉会への受験にトライしたが…?


華恵(29)芝浦アイランドでの悲痛な叫び「万全を期したのになぜ…」


― 不合格 ―

ショッキングな言葉に、目の前が真っ暗になった。

その合否通知は、御三家と言われる幼稚園の1つ、“若葉会”のもの。

華恵は、芝浦アイランドの広々としたリビングで1人、途方に暮れてしまった。窓からは激しい雨の音と、うめくような雷が鳴り響いている。

幸いなことに3歳の娘は、隣ですこやかな寝息をたてて昼寝をしていた。

この1年、娘の幼稚園受験のために、華恵はすべてを捧げてきた。

若葉会を第一志望にしたのは、もちろん慶應の幼稚舎受験をにらんでのこと。誰に何と言われようと、華恵は”幼稚舎”にこだわっていた。

「もう、嫌になっちゃう。なんで…」

油断すると涙が溢れてきそうだった。

ダイニングテーブルの片隅には、若葉会受験のために娘が2歳の頃に入った塾の参考資料が並んでいる。その内容は空で暗記できるくらいだ。

対策はばっちりだったはず。それなのになぜ、という思いが拭いきれない。

実力だけじゃ無理、若葉会に入るためにはコネや人脈も必要だと言われていた。でも全くコネなしで合格している先輩が身近にいたので、彼女のアドバイス通りに最大限努力したのだ。

華恵は思わず、頭を抱える。

努力だけでは叶わないと言われる狭き門。だからこそ答えが知りたい。

果たして、何がいけなかったのだろう…?

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