東京カレンダーが太鼓判! 未来に残したい名店たち Vol.1

ムツカリ

六雁

" 粋"の心意気で京料理を昇華
江戸前料理の新たな到達点

カウンターから望む厨房は息を飲むほどの臨場感。秋山氏の背中からも“粋”の精神を垣間みることができる。料理はすべてコース展開。お野菜コース、シェフのおすすめコースが¥13,000。『六雁』の真髄を味わえる「極」コースが¥18,000

舞台さながらのオープンキッチンに客は今宵も酔いしれる

名店ひしめく銀座にありながら、唯一無二の存在感を宿す『六雁』は、京料理に"粋"の精神を加えた、新・江戸前スタイルを提案する日本料理店。

唯一無二の理由、それは芸術作品を手掛けるような"素材を生かす美学"にある。彩り豊かな盛りつけは『六雁』の象徴ともなっており、料理長・秋山能久氏の深淵なる想いが込められている。「命あるものを調理しているわけですから、素材本来の味だけでなく、色彩まで活かすのが仕事です」。

たとえば野菜のふき寄せ。15種類の素材が使われる自慢の一皿だが、さつまいもは揚げる、ごぼうは炒める、素材を最も生かす調理法を吟味して、作品を完成させていく。ひと皿ひと皿に、途方もない労力を掛けるのは、命をいただくという感謝の気持ちと、料理への揺るぎない信念があるからだろう。

こうした価値観は店内の構造にも影響を与える。客席の目の前に死角なく広がるオープンキッチンがそうだ。ごまかしの利かない調理場の最前線で包丁を握る秋山氏の背中は、厨房の料理人たちに緊張感をもたらすだけでなく、店全体を興奮させる。

和食を介しながら、料理という芸術と誠心誠意に向き合う『六雁』。だからこそ、10品のコース料理を満喫したあとには、まるで名作映画を観たかのような満足感が得られる。そして充足の余韻と共に、『六雁』の名は克明に記憶として刻まれるのだ。

左上.白菜と菊の花をテリーヌ状に固めた煮こごり。上に添えられているのは食用のきぬさやの花

右上.コース料理の最初に登場する胡麻豆腐。生胡麻の風味が口の中でふわりと広がる

左下.15種類もの野菜をそれぞれ違った調理法で料理された野菜のふき寄せ

右下.平目、赤貝、あん肝が添えられたお造り

料理長の秋山能久氏は、学芸大学『割烹すずき』、神宮前の『月心居』で学んできた人物。休日は関東近郊の農家を訪ね、そこで出会った食材を『六雁』で生かすこともあるのだとか。「料理は自分の影」と語るほど、熱い想いを持って厨房に立っている。


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