不動産選びの答えあわせ Vol.2

年収1,500万超のハイスぺ男子の婚活に異変。“恋愛と不動産”にまつわる最新事情とは

3.いざ、家を購入!夫婦でローンを組む際に注意すべきことって?


Q. 夫婦共同で住宅ローンを組むときは、何を選ぶのがいいの?

共働き夫婦が2人の収入を合わせて住宅ローンを組む場合、【ぺアローン】【連帯保証】【連帯債務】 の3つの方法がある。

「たとえば、1億円を夫婦でローンで借りたパターンを考えてみます。

【ぺアローン】 とは、購入する物件に対し、夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、それぞれが主債務者として借入する方法です。1番のメリットは、それぞれが住宅ローンの残高を基準とし、一定額の所得控除を受けられるという点。

また、住宅ローン審査時にそれぞれの年収を考慮して借入金額が決まるため、青山さんが望むようなパワーカップルの場合は、どちらか一方の名義でローンを組むより、借入金額が高くなります。

つまり、夫、または妻が1人でローンを組むより、ペアローンにしたほうが高額な物件を購入することができるようになることが多いので、青山さんのお考えは正しいとも言えます。

しかし、お互い5,000万ずつ負担した場合。仮に夫が亡くなったときは、夫の借りていた分の5,000万は消えますが、妻の借りている5,000万は残ります」(竹下さん)

出典:「SUUMO新築マンション」(リクルート)より


【連帯保証】 は、たとえば、夫婦の収入を合算して1億円借り入れて、夫が1億円借りた債務者、妻が連帯保証人になっているパターンを考えます。

夫が亡くなったときは、1億全部消えますが、妻が亡くなったときは、消えません。もともと妻の収入をあてにした返済プランだと、夫1人で1億を返すのは大変です。それを防ぐために、妻は民間の生命保険に入る必要がありますが、保険料の分、結果的に割高になります。

連帯保証は、銀行で借りるとき1番多いパターンになりますが、夫1人分しか住宅ローン控除は使えないし、団体信用保険も使えない、所有権も夫だけになるので、あまりおすすめではありません。

【連帯債務】 は、たとえば、夫婦の収入を合算して1億円借り入れて、夫が主債務者、妻が連帯債務者となったパターンを考えます。夫か妻どちらかが亡くなったときは、1億全部消えます。

金融機関の一部でしか扱ってくれないというデメリットはあるものの、住宅ローン控除は持ち分に応じて使えて、物件は夫婦の共有名義になります。

ですから、夫婦で共同ローンを組む場合、連帯債務が1番おすすめですね。連帯債務者の死亡時の場合も免除になる団体信用生命保険(夫婦連生団信)を付けた形で契約するのがコツです」(同)

ちなみに、夫婦でローンを組む際の1番のリスクは“離婚”

夫婦関係が破綻しても、お互いにローンだけは残ります。別々に暮らしても、住宅ローンが残っている状態だと資金繰りに困るということが発生する。

そのリスクを避けるためにも、夫婦でローンを組む場合は、できる限り借り入れを少なくし、早期の完済を目指すのが賢明だという。

​Q.「借り入れを少なくする」ためには?

低金利のうちは、一種の財テクとして、頭金を入れずにフルローンで借りる方がいい、という話を聞いたこともあるが…。

竹下さんは、ある程度頭金を入れるのがベターだという。

「そもそも、頭金を入れないで借り入れを多くするという考えは、住宅ローン控除の恩恵を受けるためのもの。

2022年度のローン控除はまだ発表されていませんが、物件にもよりますが最大5,000万円になります。この金額を超える分は、借り入れをしてもローン控除を受けられるわけではありません。

5,000万円以上の借り入れをする例では、借入金額から5,000万円を引いた差額分程度を頭金として用意すると合理的と考えます。

ただし、頭金を入れないことがメリットになる場合もあります。

例えば、頭金を入れて月15万円の返済額になる場合と、頭金を入れずに月18万円の返済になる場合であれば、月額3万円程度の差が負担にならないのであれば、後者を選び残しておいた頭金分を『繰り上げ返済』に使用するのが、結果的に利息を、そして全体的な支払額を安くするテクニックになります」(同)

4.借入はいくらまでOK?自分に合ったマイホームの金額とは?


Q. 年収の何倍くらいの物件を買うのが理想なの?

ところで、青山さんのように自身の収入+未来の妻の収入をあてに、億単位の物件を得ようと画策する場合、どの程度の価格の物件まで購入することができるのか。

また、金融機関はどの程度までお金を貸してくれるものなのだろうか。

基本的に、住宅取得の目標金額は、年収の5倍から7倍と言われています。でもこれは、年収500~800万円の一般的なサラリーマンに限ったお話。

年収1,000万円以上の方にとっては、あまり関係ないので、年収の何倍かではなく『月にいくら返済できるか』を考えるといいと思います


例えば、現在賃貸でマンションを借りているとして、その価格より減らしたいのか、同等でよいか、というように考えてみてください。

もちろん、その際は修繕積立金や管理費、固定資産税といった必要経費を見落とさないようにしてください」(竹下さん)

竹下さんの試算を基に毎月のローン返済額を表したグラフ


「例えば港区で3LDKの物件を借りて住んでいた方が、同等の物件を購入するとします。港区の家賃平均は約32万円ですので、月に30万円程度支払うことができると考えれば、変動金利で1億1,000万ほど借りることができます。年収が1,500万ある方にしてみれば、これは十分に払える額でしょう。

さらに、青山さんの理想のようにパワーカップルでペアローンを組む場合、上記の倍のお金を借りることができるので、頭金がなくても2億円超の物件に手が届くことになります。

ただ、私の経験上ですが、高収入な方は金銭面にシビアな場合が多く、そこまで住居にお金をつぎ込まず、1億ちょっとくらいの物件にすることが多いように思います」(同)


Q. 家は、どのタイミングで買うのが正解?

「1つの提案として」と、竹下さんは、青山さんのようにハイスペックな独身男性こそ、六本木や原宿などの都心の資産価値が高い高額物件を買うべきという提案もしてくれた。

というのも、家を資産と考えた場合、早めの資産形成ができるからだという。

年収が高い方は貯金も一定額あるうえに、若いのでローンも組みやすい。だから、資産性が高く、かつラグジュアリーな部屋を購入できる。

そして、いざ結婚が決まった場合には、資産価値が高い家を売った資金を元手に、ファミリーで住みやすい家へと住み替えればいいそうだ。

「それに、都内の高級物件を所有しているというのは、婚活のときのアピールポイントにもなりますからね。

今、結婚を前提とした相手とお試し同居をする方が多いんですよね。いざ同居しようとなった際に、住む家はどうしようか?となります。

そのときに、自慢の家が婚活ツールとして役立つことになります。彼女は実際に彼の部屋での同棲について考え始めた場合に、一部屋余った部屋を見て『この部屋がもしかして、私の部屋に?結婚したら、こんな素敵な暮らしができるの?』と、彼女は夢を見るわけです」(竹下さん)

なるほど!「僕と結婚すれば、こんなに素敵な部屋に住めますよ」とわかりやすくアピールできるうえに、将来の資産形成という意味でも理にかなっていて、一石二鳥というわけだ。

ここまで、「不動産購入のために結婚したい」という青山さんの婚活のお話を通して、不動産に関するお金の基礎知識についてご紹介してきた。

ローンを組み家を買うなら早めが一番!

さらに、竹下先生のご提案に乗り、まずは婚活成就のために、シティライフが満喫できるマンションを購入するというのも一案かもしれない。

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