SPECIAL TALK Vol.90

~トレーニングの常識をアップデートさせ、“美尻”を切り口に人びとを健康にしたい~

アメリカへの進学を機に夢がない日本の学生に違和感を覚える

金丸:早速ですが、お生まれはどちらですか?

岡部:神奈川県横浜市です。ただ、父が大手メーカーに勤める技術者で転勤族だったので、小学生の頃は何度か転校を経験しました。

金丸:転校は環境ががらっと変わるし、友だちも一から作り直さないといけません。何度もというのは、つらくなかったですか?

岡部:それが、友だちを作りやすい性格だったせいか、特につらい思いをした記憶がなくて。

金丸:確かに岡部さんは社交的な印象です。やはり子どもの頃から、よく運動をされていたのですか?

岡部:3歳からずっと水泳をやっていました。小学5年生のとき、担任の先生が新しく陸上部を作るというので水から陸に上がり、それから高校3年生までずっと陸上を続けました。

金丸:根っからのアスリートですね。

岡部:ちなみに小学5年生のときには、100メートル走の全国大会にも出場しまして。

金丸:え、陸上を始めたその年にですか!?

岡部:ありがたいことに。ただ私はスタートダッシュが遅く、短距離では不利でした。水泳をやっていたこともあり心臓が強かったので、少し距離の長い200メートルに転向しました。

金丸:その距離だと、結構得意とする人が多いのでは?

岡部:まさに激戦区だったので、さらに400メートルハードルに移ったんですが、関東大会止まりでしたね。インターハイまで出場できる力はなく、選手として食べていけるレベルではなかったのと、体の構造にも興味がありトレーナー側になろうと決意しました。

金丸:では、スポーツの世界で生きていこうと、早い段階から決めていたのですね。ご両親もスポーツを?

岡部:はい、ふたりとも運動が大好きで。父は72歳ですが、今でもラグビーをやっています。

金丸:それはすごい。ちなみにご兄弟は?

岡部:7つ上と5つ上の兄がいます。

金丸:末っ子で女の子ひとり。いいポジションですね。

岡部:兄がフロリダ州立大学の大学院に通っていたのもあって、私も同じ大学に進みました。

金丸:いきなりアメリカに。スポーツが有名なところなんですか?

岡部:はい。大学受験が近くなると、いろいろな大学の情報が載った冊子が送られてきますよね。私は物理学や生理学から人体にアプローチしたいと思っていたのですが、フロリダ州立大学の運動生理学部は、医学部じゃないのに人体解剖をする授業があり、「これだ!」と。

金丸:体育会系といっても、根性論とは程遠いバリバリの理系ですね。アメリカではお兄様と一緒に暮らしたのですか?

岡部:私が入学して2〜3ヶ月後に兄が卒業したので、あとはひとり暮らしでした。

金丸:では、日本が恋しかったでしょう。

岡部:それが、長期の休みで日本に戻ってくると、女子大生あるあるかもしれませんが、「いい会社に入って、いい男を見つけて、楽な結婚をするぞ」みたいなことを目標にしている子が多かったですね。そういう話があまりピンと来なくて、なんだか居心地が悪く感じるようになったんです。

金丸:その高校に限らず、日本全体が男女ともにそうですよね。しかし、岡部さんのお父様も大企業にお勤めでしたから、ほかの人たちと同じように「とりあえず大企業に入ろう」と考えても、不思議じゃない。

岡部:やっぱりアメリカに行ったのが、大きかったですね。なにせ10代ですから、あっという間にアメリカナイズされました。大学2年生くらいになると、「日本女子特有の、幸せのレールみたいなものを目指して頑張るのは違うな。どうしてそうなるんだろう?」と考えたとき、自己肯定感をもっとつけて自己主張できる、本当にやりたいことを実行していく大切さを、多くの女性に伝えたいと思いました。そこで、自分が一番得意な運動やトレーニングを通じて、それを実現できればいいなと考えるようになったんです。

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