生田斗真が「仕事を頑張った日」に訪れる、とっておきの“ご褒美グルメ”とは?

数々の作品で主演を務め、俳優として高い評価を得る生田斗真さん。

海外にも多くのファンを持ち、映画、ドラマ、舞台を通して日本のカルチャーの魅力を伝え続けている。

どんな作品に対してもストイックな姿勢で挑む彼の、パワーの源となっているものとは?

「ひとつの作品が誰かに夢を抱かせ、その人の人生を変える」


生田さんといえば、人を惹きつける表現力の高さが評されるが、その真摯に演じる姿が時として、観る人の人生を変えるだけのパワーを持つ。

生田さんの初主演映画『人間失格』が人生の分岐点となった人が存在するのだ。

「海外に住んでいた方なんですけど、僕の演技を観て日本映画に関わりたいと思ってくださって、海を渡って東京の映画学校に入ったという話を聞きました。その後、日本の映画業界で働き始めたそうです」

一本の作品が海を渡り、日本への引っ越しを決断させるほどの夢を生んだ。そんな俳優冥利に尽きるエピソードを聞くと、日本のカルチャーへの誇りも増していく。

「仕事を頑張った日は、ご褒美に鮨を食べに行きます」


俳優という仕事の魅力について、アツく語る生田さん。食生活では、鮨や和食に年々惹かれていると言う。

「お鮨や和食は、美味しくて幸せになる以上に、日本人としての喜びを感じられていいですよね」

この日インタビューで訪れたのは、港区の艶やかな新店『鮨 梢』。握りをじっくり堪能する姿が印象的だった。

自分にとって特別な“弩級”の店を聞くと、その答えも和食だった。2019年の年末に暖簾を下ろした、あの伝説の店だ。

「知り合いに連れて行ってもらったのをきっかけに、30歳を過ぎてから新橋の『京味』へ伺うようになりました。頻繁に行ける場所でもないので、一年に1〜2回。日本料理の本当の美味しさを知りました」

味わいとともに忘れられないのが、2019年に逝去した店主の西 健一郎さん(享年81)の佇まいだ。

「大将がいつなんどきも笑顔で、お客さまをお迎えする表情でいらっしゃったのが印象的です。

“今日はこういうのが美味しいよ”と気さくに話してくださる姿に、ほっとしました。僕みたいな若造にも常に謙虚でいてくださった方なんですよね。

食事が終わると必ず軒先まで出てこられて、“ありがとうございました”とこれ以上ないってくらい丁寧にご挨拶してくださって、そういう人柄はいまでも憧れです」

最後に訪れた『京味』では、これまでとは違った感覚を覚えた。

「いつも元気で優しかった大将だけがいない空間、凄く不思議な感覚を覚えました。でも、お弟子さん達が大将の味を再現するよう努力されていて、その姿に心打たれましたね」

日本の食文化を次世代に継承する役目を果たした存在だったと体感した。もう見えない西さんの凄さが漂っていた。

そこまでの感情が得られる店は、紛れもなく弩級である。

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