ポン酢なしでも美味しいってすごい!「天然虎ふぐ」が味わえる銀座の名店へ

冬の風物詩といえば、ふぐ。淡泊なイメージがあるが、最高峰のものは味付けも要らないほど、味わいがグッと濃くなるのだという。

荒波に揉まれて旨みを凝縮した天然虎ふぐを、心ゆくまで堪能できる店を紹介しよう。



※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。

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やや厚めのカットで、小気味良い歯応えを楽しめる「ふぐ刺し」

「ふぐ刺し」1人前15,400円。写真は2人前だが、3人でも十分楽しめるボリュームも嬉しい。通常よりやや厚めに引いてあり、小気味良い歯応えと共にふぐ本来の滋味も味わえる


美味なる食材が豊富にそろう冬にあって、とりわけ食通の舌を捉えて離さぬ味覚の王者といえば、やはりふぐ。これに尽きるだろう。

そのふぐの中でも、食通らの垂涎の的となるのは天然の虎ふぐ。ことに大分の豊後水道は、最も上質なふぐが揚がると言われている。

銀座にある『ふぐ福治』で扱うものも、昔から豊後水道の虎ふぐのみと決めているそうだ。

「天然と養殖では旨みの深さが雲泥の差。天然の虎ふぐは、何もつけずに食べても、十分旨い。ふぐそのものの滋味豊かな味わいが、じんわりと舌に残るんです」

と、店主の矢菅 健さんも語る。


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2〜3日寝かせることによって旨みが倍増する、天然虎ふぐの身欠き

豊後水道は鶴見港で揚がる天然虎ふぐの身欠き。大分の『柳井商店』から直送されるほか、豊洲でも仕入れている。写真は約1.8kg。身欠きとは、有毒部分を取り除いた身の状態のこと


美しい光沢を放つ、身欠きのふぐ。重さにして2〜3kg、身欠きの状態で2kg弱がベストだそう。

それ以上になると大味になり、身質も粗くなってしまうとか。無論、天然ものだ。

また、捌いてすぐのふぐは硬くて食べられない。

『ふぐ福治』では、ふぐの状態に合わせて2〜3日寝かせているという。その間、身がやや柔らかくなると同時にアミノ酸も増え、旨みが増すのだそうだ。


熱々にかぶりつけば、歯茎に染み入るような美味しさ!

「ふぐちり」1人前15,400円で、写真は2人前。天然の虎ふぐは、きちんと煮てからいただくのが旨みを引き出すコツ。じっくり火を通すと身に潜むふぐの滋味が開き、〆の雑炊まで数段美味しくなる


『ふぐ福治』の真骨頂は「ふぐちり」にある。

上身はもとより、カマや唇(これらが入ると〆の雑炊の美味しさが劇的に変わる)中落ちなど、カットもダイナミックな「ふぐちり」は、ふつふつと煮込むほどに骨や身から旨みのエキスが引き出されていく。

身が骨からちょっと離れたかな、ぐらいがちょうど食べ頃。熱々にかぶりつけば、歯茎に染み入るような旨みに陶然となる。

ポン酢もいらない。塩で十分と思わせるほどだ。

「質の良いふぐは、できるだけいじらない方がいい。せっかくのふぐの味が台無しになりますからね」と言うように、メニューはどれも至ってシンプル。

素材本来の味で勝負するその姿勢は、最強のふぐを扱っているという自負があればこそだろう。

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