この店こそ都内の“和食の最高峰”!芯から温まる冬の名物料理に、食通が唸る!

澄んだスープとゼラチンが後を引く「すっぽん」

「蒸しすっぽん」。すっぽんの身もスープも美味しく味わえるようにと、工夫をこらした逸品。煮た後に蒸す工程を経ることで、素材の旨みを引き出している。一点の濁りもなく脂をきれいに取り除いたスープは、『と村』ならではの洗練された美味しさだ


食材においても調理に関しても、一切の妥協を許さない。それが『と村』の凄みの所以でもある。

そして、最上級の素材を手にしたら、その持ち味をどうしたら最大限に引き出せるかを、柔軟、かつ真摯に考える。

今や冬の名物のひとつとなった「真鴨の窯焼き」にしても、どうしたら真鴨を最も美味しく食べられるか?を追求した結果の逸品。

一羽を開いていただく、野性味溢れる味わいの「真鴨」

「真鴨の窯焼き」。『赤坂璃宮』の譚 彦彬料理長の協力を得て始めた一品。同店の焼物師である梁さんから教わった広東の焼物の技術を元にアレンジ。だが、香辛料は使わず、真鴨を開いて塩のみで下味をつけ、一度干してから中華の広東窯で焼き上げていく


骨付きのまま丸ごと焼くのが一番と考え、思いついたのが中華の広東窯で焼く方法。

そこで、窯を注文しに出かけた新潟燕三条で出合ったのが、真鴨料理で知られる『長吉』のご主人。ここで扱う真鴨に一目惚れした戸村さん、早速取り寄せることに。

曰く「ここの真鴨は太っていて、脂ののりも抜群。猟場選び、餌の撒き方、血抜きなど全て細心の注意を払っている証拠です」と大絶賛。

“鴨ねぎ”ならぬ、窯が鴨を運んできたたわけだが、その後も毎年新潟まで足を運び、食材をより深く知ろうと心を砕く。

茹でたてのふくよかな旨みが溢れ出す「アカザエビ」

伊勢エビに勝る旨みがあるといわれるアカザエビは、シンプルに茹でただけで提供。ただし、その裏には焼いたり、揚げたりという試行錯誤がある。結果、アカザエビの茹で汁で茹でる手法に辿り着いた。食せば、しっとりした食感と独自の甘みを感じられる


ただ茹でただけのように見えるアカザエビも、実は茹でるという行為自体に並々ならぬ努力が注がれている。

まず、茹で汁。エビの旨みを逃さぬよう水ではなくアカザエビの茹で汁で茹で、しかも、茹で時間から温度、茹で汁の塩分濃度等々を、エビの個体差に合わせて微妙に調整している。

かように、ひとつの料理にそこまで手をかけるからこそ、食材の神髄にダイレクトに迫り、それを巧みに引き出し、味わわせる。そこには、ありがちなキャビアもウニも必要ないのだ。

それが、戸村さんの料理全体に一貫して言える哲学であり、醍醐味ともいえる。



玄人好みの豪華食材を最も美味しく供するため、並々ならぬこだわりをみせる名店『と村』。

独自の和食の美学を貫き通す姿勢が、舌の肥えた美食家たちを唸らせ、脱帽させるのである。


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