“熟成鮨” の旨みが口いっぱいに広がる…!あの憧れの名店を徹底解剖!

酒が進む「白子そば」…個性が光るのコースの逸品たち


握りが始まる前から、二子玉川までまた来たいと実感する。コース前半のつまみから只者ではないのだ。

白子蕎麦のアクセントは、カンボジア産無農薬赤胡椒。海の香りとの組み合わせが洒脱


例えば、5品目のまろやかなコクを纏った白子蕎麦をすする瞬間は、もはや快感。

どれだけの手間がこの舌触りを生んでいるのか想像すると、握りへの期待がさらに膨らむ。

木村さんが惚れ込む「浅草海苔」を使った海苔飯。海苔飯を出すのは、海苔の香り高さをダイレクトに伝える意味もある


いよいよ熟成鮨が始まる前に手渡されるのは、海苔に巻いたシャリだ。

これは鮨に移る合図であり、『すし 㐂邑』のシャリを知ってもらうための挨拶。

そうして握りが約12貫続くが、時に優しく時に強く、巧妙な緩急をもって組まれた順序がまた罪深い。

「椅子に背もたれがあって本当によかった」とよく言われるほど、鮨のインパクトに仰反る瞬間が多い店でもある。

小肌は1週間寝かせた後、4~5日締める。江戸前をヒントに、独自の切り方に辿り着いた


さらに、名脇役となるのが銘酒の数々。

「お酒は鮨の調味料。もう一段階、ぐっと底から味わいを上げてくれる」と木村さん。

カツオやブリには山梨の「キュヴェ三澤」を。魚の旨味を上げるソースに変貌する。コース 33,000円


鹿肉にも負けない旨味を秘めるカツオに合わせメルロー主体の国産ワインを飲めば、その意味に納得。

鮨と酒の旨さに唸り、さらに木村さんの品のよいお色気トークに笑えば、いつもより少し長い帰路さえご機嫌なままだ。

惜しまぬ手間と研究が究極の一貫をつくる


二子玉川駅から徒歩7分ほどの場所にある同店。

「わざわざ二子玉川まで来てもらうわけだから、“㐂邑”にしかない鮨を出す必要があります。それも同じ鮨を続けるのではなく、毎年うちだけの新しいものを提供したい」と、店主の木村さん。

東京で鮨店の息子として生まれ、鮨のたねを食べて育った。幼稚園の頃には鮨職人になると決めていたという。



熟成鮨の先駆者でありながら、現状に満足することなくさらなる鮨の可能性を探求し続ける『すし 㐂邑』。

つまみ、握り、酒、どれをとっても一流を極めた弩級の名店だ。


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