アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜 Vol.6

「うわ、ダサい格好」なんて見下していた女友達に…。週末のランチで味わった敗北感

取り残されていたのは、私だけ?


久しぶりに会った真希子は、相変わらず地味で野暮ったさの残るファッションに身を包んでいた。

そんな真希子の様子を見た理子は、今日は確実に溜飲を下げられる会だと確信し、早速鬱憤を解消するための話を切り出すのだった。

「外銀のバックオフィスって美人ばっかりで、1年目から食事会に励んでたから周りは結婚ブームなんだけど、私だけ彼氏もできなくて…。

残っている同期男子も外資系の割にイマイチだし、食事会の誘いはなくなってくるし、イヤになっちゃう。どう真希子は?」

なんの気なしに、話を振ったつもりだった。

きっと、真希子からも自分よりレベルの低い愚痴が来るだろう。そう思っていたのに…真希子からの返事は、理子の予想に反するものだった。

「理子、実は私、結婚することになったの。付き合って2年で、会社の同期よ」

ハンマーで頭を殴られたようなショックが、理子を襲う。

― まさか、真希子に先を越されるなんて…。

だが理子は、そんな気持ちを見透かされないように、努めて明るく言った。

「そうだったの~!おめでとう!…でも、今まで真希子から彼氏のことなんか聞いてなかったよぉ。何で教えてくれなかったの?」

「だって…」

「だって?」

言い淀む真希子の様子に苛立ち、理子は返事を促す。そして、真希子の口から出た答えは、さらなるショックを理子に与えたのだった。

「だって、理子に言うと、彼を品評されそうだったんだもん」

「は?」

頭にカッと血が上る。

― は?どう言う意味?真希子のくせに。“3軍”のくせに!

しかしその一方で、頭の一部が妙に冷静にその言葉を受け止めていることにも気付いていた。

『理子に、彼を品評されそう』

確かに、そう言われてみれば思い当たる節があるのだ。



思い返せば、社会人になりたての頃。理子の人生が最も順調で、一番調子に乗っていた、あの頃…。

「あの食事会の商社の彼、実家が御殿山だからって26歳なのにまだ一人暮らししたことないんだって!なんだか微妙じゃない?」

「この間の代理店のメンバーって、うちの会社のフロントの男子に比べて給料3割くらい低いらしいよ。あり得なくない?」

食事会の後に「反省会」という名で行われていた「男子の品評会」。

理子は、周りの美人な友人たちと一緒になってはこうして男子を減点し尽くす癖がついてしまっていたのだ。

しかし気がつけば、そんな愚痴を言い合っていた“1軍女子”たちも、今ではみんなセレブ妻の座に収まっている。

そして、セレブ妻に収まり切れない理子に会ってくれるのは、3軍の真希子。

その3軍の真希子ですら、もうすぐ結婚するのだという。


真希子の結婚話を聞いて、じっとりとした汗が理子の背中を濡らしていた。

しかしその動揺を悟られないよう、理子はできるだけ穏やかに真希子に尋ねる。

「品評だなんてひどい!私、いくら何でもそんなことしないよぉ…。ねぇ、ところで、彼どんな人なの?」

「さっきも言ったけど会社......


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