しっぽりしたい“デート寿司”の決定版が誕生!握りも空間も艶やかな新店4選

3.今だけ門戸を開く、港区の隠れ家
『鮨 佐がわ』


名店ひしめく港区で、本来は会員制だが定員に達するまでの今、一般客を受け入れている鮨店がある。

インターフォンを押して解錠してもらう動線にまず心を掴まれるが、炙りを多用するなど鮨も斬新。この機会を逃すと二度と食べられない。


看板はなく、地下に下りれば「さがわ」の平仮名を象ったロゴマークの脇に、暗証番号式テンキーとインターフォンが。これが唯一の手掛かり。

炙って美味しいネタの代表格で、香りも抜群な「ノドグロ」。炙りはほかにキンメや太刀魚などを用意


暗証番号を入力してたどり着くのは、高級感あふれる漆黒の空間


開かれた鉄扉の向こうは漆黒の世界。3mは優にある高い天井はもちろん、壁も床も黒く染まった艶やかな空間である。

唯一、白木のカウンターだけがステージのように浮かび上がるが、この舞台に立つ大将・佐川雅温さんは、都内の有名店で研鑽を積んだ後に『鮨 佐がわ』の大将となった。

以前は日本料理店に在籍したこともあるため、つまみも得意。カツオを目の前で瞬間燻製にする即席タタキなど、創意に満ちた一品を提供している。


下田と同じ海域にある神津島で揚がったまぐろの「中トロ」。適度な熟成により旨みが強く、脂も甘い。

「〆サバ」は三重県産で脂乗りを考えて3枚付けに。シャリはネタに応じて、赤酢と白酢の2種類を使い分けている。料理はすべておまかせコース(25,000円)より


肝心の握りにも和食の経験は生かされている。それが〝炙り鮨〞だ。握り14貫ほどのうち、3分の1は炙ったネタが占める。

ふくよかな香りと脂の煌めきに思わず息を飲むが、火入れはかなり繊細。客に届いたときにジャストで仕上がるよう、握って提供するまでの時間を逆算し、わずかにレアの状態で熱源から引き上げる。

食べればほんのりと温かく、ジューシー。炙る意義を実感する美味しさである。

本来は紹介ありきの会員制だが、今は定員の150名に達するまで、一般客も受け入れている。その決断に感謝しつつ、オリジナリティあふれるつまみと極上鮨の数々を堪能したい。

【SNSで思い出を刻む“映え”の一品】


フタを開ければ芳ばしい香りが鼻腔を抜ける。

鹿児島県産のカツオを桜チップで瞬間スモークに。いわば即席のタタキで、フタから中の様子が伺える木の器で提供。美味しさはもちろん、プレゼンテーションでも魅了する。


舞台のように店内で浮かび上がるカウンター。その奥にある黒い柱に焼き台を備える。

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