男と女の怪談~25歳以下閲覧禁止~ Vol.5

「息子は、私の作品なのに…」田園調布妻がどうしても赦せなかった、若い彼女が犯したタブー

男と女の、珠玉のラブストーリー。

秋の夜長、「その先」のことを語りましょうか。

この物語の主人公、あなたの知り合いだと気づいても、
どうか、素知らぬフリをして―。

▶前回:私を嵌めたのはダレ…?「人に言えない“アノこと”」を暴かれた、お受験セレブ妻の末路


第5夜「溺愛する女」


秋の田園調布の美しさは、格別だ。

一軒家レストラン『リストランテPASTA R1』でランチをしたあと、黄金の落ち葉が積もる歩道をゆっくりと歩いていく。

田園調布駅を中心に、品のいい道が放射線状に伸び、お屋敷街になっていく様子は、成金タワーマンションが乱立するような場所ではありえない光景だろう。

「真弓さん、今日はいいガーベラが入りましたよ」

エントランスに活ける花を求めて花屋によると、馴染みの店主がにこにこと出てきた。

「わあ、夕焼け色。今夜可愛らしいお客様がいらっしゃるから、お土産にブーケを作っていただこうかな。エントランスには、そうね、同系色のバラはあるかしら?」

短大を出たあとすぐに結婚し、22歳で愛する智輝を産んでから24年。

素晴らしく真面目に育った一人息子から、「彼女を、お母さんに紹介したい。結婚を考えてる。お母さんの誕生日に、一緒に帰ってもいいかな?」とLINEが来たのは先週のこと。

花を抱えて、家までの道のりを急ぐ。

午後の時間をたっぷり使って、ディナーの準備にかかろう。オーブンでローストビーフと、智輝の好物チョコレートケーキも焼かなくてはならないから、時間配分が難しい。

智輝の好きなものは「彼女」もレシピを知りたがるだろうから、それも準備しておかないと。

息子の彼女ときいても、意地悪な気持ちはちっとも湧かず、そのことも誇らしいような気持ちになる。「姑」になるという意識はまるでなかった。

私は「一人息子が彼女を紹介し、一緒に誕生日を祝ってくれる」という嬉しい夜に、ただ夢中になっていた。

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