ギンザブランテイ

銀座ブラン亭

銀座の地でチベットが香る
780円カレーの味の架け橋

細い階段を下りていくと、『ブラン亭』はある。カウンター7席。

初めてこの店でカレーを食べた時、その香りの豊かさに驚いた。

「スパイスは自分で調合されているんですか?」店をひとりで切り盛りされている女性に訊いた。

「いや、うちのガラムマサラはね、チベット族のおばあちゃんが、作っているんですよ」意外な答えが返ってきた。

彼女の叔母が、旅先で出会ったチベット族の女性と仲良くなり、後日その方が住むインドの最北、祈りの大地と呼ばれるラダック地方を訪ねた。以来、ガラムマサラを定期的に受け取りに行き、教わったカレーを自分流にアレンジして出してきたのだという。

どのカレーも、刺激的でありながら優しい。またすぐ食べたくなるたくましい魔力と、毎日食べたくなる温かさがある。チキンは少し辛くスパイシーで、さらりとした鳥は、玉葱の甘みが生きている。とろりと舌に広がるキーマは、穏やかな旨みと香りの調和が丸く、いくらでも食べられるような味わいがある。

現在、叔母さんは引退され、チベット族のおばあちゃんも年を重ね、今は息子たちが調合して、郵送してくれているのだという。叔母から姪へ。おばあちゃんから息子たちへ。日本とインド、銀座とラダック。6000キロ離れた味の架け橋は、次世代へつながり、脈々と続いているのであった。

●まっきーまきもと
"タベアルキスト"として、さまざまな雑誌で執筆する他、食通からの信頼も厚い『味の手帖』顧問も務める。早くて安くて旨い! 1000円台で味わえるパワーランチを提案


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