今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.32

ギフトに迷ったら“ワイン”という手があった!“泡”好き、甘党、ワイン通まで……相手に合わせたワイン選び教えます。

――「愛」や「ハート」でこちらの気持ちがストレートに伝わるから、ワインに詳しくない相手でも喜ばれそうですね。

柳「ギフトには甘いものを渡すひとも多いと思うけれど、一緒にワインを贈るのもいいんじゃないかな?」

――甘いものに合うワインなんてあるんですか?

柳「あるよ。たとえばポルトガルのポートワイン。できれば10年以上熟成させたトウニーポートがいいね。それからフランスの「バニュルス」や「モーリー」、「リヴザルト」といった天然甘口ワインとかね。

イタリアなら「レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ」かな。陰干しして糖度を高めたブドウから造られる、甘口の赤ワインだよ。」

ワイン通へ贈る一本は、プレミアムな〝チリカベ〞を


――ふむふむ。泡物でチョコレートとの合わせ技を使うなら?

柳「オーストラリアにシラーズから造られた赤いスパークリングワインがある。ほんのり甘口でチョコのタッチも感じられるからおすすめ。

それから意外とシャンパーニュにも面白い銘柄があるよ。テタンジェの「ノクターン」はドザージュ(甘味調整)が17.5グラムのやや甘口で、昨今流行りのルビーカカオのチョコとばっちり合って驚いたな。」


――では、ワイン通の方に贈るとして、今、柳さんのイチオシは?

柳「う〜ん(しばし考え)、チリのカベルネ・ソーヴィニヨン。」

――え〜っ、チリカベですか?そんなスーパーでも売ってるようなものをワイン通の人に贈ったら、鼻で笑われちゃいますよ。

柳「そこよそこ。かつては安旨ワインの代表だったチリカベだけど、今はどこのワイナリーも高級路線に舵を切っている。

もとより気候的には恵まれ、完熟したブドウが育つ土地。真剣に造るとすごいものができるんだ。そのパイオニアが「ドン・メルチョー」で、初ヴィンテージはなんと87年。

マイポ・ヴァレーの銘醸地、プエンテ・アルト産のカベルネ・ソーヴィニヨンから造られた、チリのスーパーウルトラプレミアムワインだ。この価値がわかる真のワイン通にこそ喜ばれるはず。」

たとえば、こんな1本
「ドン・メルチョー2017」

1987年に産声をあげた、チリNo.1ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」のフラッグシップ。30周年を迎えた2017年より別ブランドとして独立した。豊かな果実味としっかりした骨格。アフターにビターチョコの香ばしいフレーバーも感じられる。

¥16,000/日本リカー TEL:03-5643-9770


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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この記事へのコメント

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No Name
本文中にあるワインショップの棚が凄すぎます...!!!
2020/03/08 17:120

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