世田谷が誇る名店 Vol.2

50年の歴史は伊達じゃない!父と息子で営む三宿の老舗鮨屋が味も雰囲気も素敵が止まらない!

東京23区で1位の人口を誇る世田谷区。

高級住宅街をいくつも抱えるこの街のレストランは、舌の肥えた大人たちによって磨かれ、レベルの高い店が多い。

そんな世田谷が誇る、「名店」と呼ばれる店として、前回は成城を象徴する優雅なフレンチ『レストラン アシエット』をピックアップ。

今回は三宿の住宅街に潜む老舗鮨屋をご紹介しよう。


50年続く老舗鮨屋のおもてなしの精神に高揚する
『金多楼』@三宿

都内に鮨の名店数あれど、三宿の『金多楼』は〝笑いの絶えない〞名店である。それは店に入ってすぐに察知できること。

まず、威圧感がない。つけ場に立つのは、50年前にこの店をオープンさせた大将の野口四郎さんと息子の剛さん。

『金多楼』とは四郎さんが修業していた神田の名店『金多楼寿司』からもらった名前だ。

息子の剛さんは小学生の頃から「大きくなったらお鮨屋さんになるんだよね」といった常連の言葉を真に受け、早いうちから将来を決めていたそう。

渋い格好よさのある四郎さんの隣で剛さんが冗談を言い、女将さんの心くばりもなんとも絶妙。

そんな3人のおかげで10席のカウンターは誰もが気負わず寛げる空間となる。それでいて、ここは江戸前鮨の真髄を味わえる場所なのだ。

噛むごとに味わいが変わっていくマグロの漬け。酢飯には個性が立ちすぎていない赤酢を使用。高知県産の生姜を使ったガリの酢の加減も絶妙だ


というのも、四郎さんは江戸前握りの伝統的な型ながら、手数が多いため今では使う職人がほぼいない本手返しを貫く達人。

また、50年前からの継ぎ足しのつゆで煮た穴子が口の中で繊細に解れる瞬間や、コハダの締め方の巧みさを感じれば、その都度「美味しい」と口をついて出る。

握りの前に提供されるお造りにマグロとコハダがのることもある。掴みやすいようにと先が細いお箸を特注。この細やかなもてなしも『金多楼』が人を引き寄せる理由。おまかせコース¥11,000


過度な調味はないと言うが「厳密には愛情も入れてるけどね」と剛さんは軽快に笑う。それは冗談でいてある意味事実。

そうでなければ、店を出た時にあれほど心地よくはならないだろう。コースは1万1,000円。長く通いたくなるのは、こういう鮨屋だ。

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