禁断の社内恋愛を楽しむ25歳女。彼女の恋が“絶対に許されなかった”ワケ

アヤさん:まず大前提として、最初はこんな事件や騒動を巻き起こそうなんて微塵も考えてませんでした。

「きちんと真面目に仕事を覚えて働こう!頑張ろう」って考えてました。…本当ですよ!(笑)

だけど最初こそ良かったものの職場の上層部が変わり、すっかり空気が変わりました。仕事が円滑に進まなくなりみんながイライラしだし、責任の擦り付け合いやミスの指摘し合い、毎日いない人の悪口合戦。


東カレ編集部:ヒドイ…。


アヤさん:出社すると必ず上層部とお局さんが、いない人の悪口を朝から晩まで言ってました。よくそんなに人の悪口が次から次へと口をついて出てくるものです。当時25歳の私から見てもとても滑稽でしたね。まず尊敬できません。そんな人たちに付いて行きたいとは思わないですよね。

最年少で新人の私もメタメタに言われてました。中でも特に私はお局さんに嫌われてたので。


東カレ編集部:職場の環境が、アヤさんを変えてしまったんですね…?


アヤさん:ある日、私は規定で決まっている薄ピンクのネイルを塗って出社したんです。そしたらお局さんに、いきなり手首をガッ!と掴まれて「ピンクの色が濃い!」と…。

お局さん自身は濃いピンクのラメネイルを塗ってましたが、私はダメだというのです(笑)それで、そっちがその気なら私も“自分なりの武器”を使って応戦してやるって感情が湧いてきました。

翌日私は、男性陣がいる前でわざと弱々しく「昨日ご注意頂きましたので落としてきました」と言ってネイルを落とし、短く切った爪を見せました。パフォーマンスです(笑)

休憩時に男性陣が「アヤちゃん大丈夫?何かあったの?」と私に集まってきました。意外と簡単ですよね~。こうやって味方を増やし、自分の周りを固めてバリアを張ることにしたんです。


東カレ編集部:こうしてアヤさんの戦いが始まった、と。


アヤさん:まず、私の最初のターゲットはベテラン上司Aでした。50代既婚者。博識で仕事もでき、みんなからの信頼も厚いハンサム上司でした。

付き合おうとかではなく、職場でリーダー的存在だったから「彼を味方につければこっちのもの!」と考えてましたし、実際Aも話が合うので私を気に入ってくれてました。

私の狙い通り、Aは本当によく私を守ってくれて。難しい案件はAに全部投げて帰ってました(笑)

プライベートでもよくご飯に連れてってくれました。後にだんだんエスカレートし、Aは職場での威厳を失う結果となってしまいましたが…。


東カレ編集部:ターゲットはAさん以外にもいたんですか?


アヤさん:途中から異動でこの職場に現れた、30代の若手エース上司Bですね。ドSなオレ様キャラだったんですが、イケメンだったので職場ではファンも多かったです。

Bは最初は多分、私のことなんて好きではなかったと思います。何かにつけて本当によく怒られました。私も自分ができないのが悪いということはわかってますが、なぜか難癖をつけてくるので「私だけ?」と腑に落ちない部分がありました。

そのうちあまりに理不尽なので怒りが湧き「いくら私を立場という圧力でねじ伏せたって、色恋沙汰の前に男は無力だってことを証明してやろう」というねじ曲がった思想に火が付きました。

この頃から私のターゲットはAからBに変更になりました。「エースBの女・お気に入り」というポジションを手に入れればもう怖いものなしだと考えたのです。


東カレ編集部:でも、Bさんからは嫌われていたんですよね?


アヤさん:はい…でも、頻繁に怒られるのでその時間を有効に使うことにしました。

怒られている間はずっとBの瞳を見つめるようにしたんです。…時々、唇も見つめるようにしてみたり。すると次第に、Bも視線を逸らすことなく見つめ返してくるようになりました。

そうやって“怒られてるときは、2人だけの世界に入る”ようにしていたら、告白されました(笑)「好きだよ。隣にいると安心する」ってLINEが来たんです!いつも私のこと怒り散らしてよく言いますよね~。これぞ究極の下克上、逆転ホームラン!

晴れて自分の目的を果たした私ですが、このBが想像以上に地雷男だったので更におかしなことになってしまったのです。


東カレ編集部:もしかして、3人目のターゲットもいるんですか…?


アヤさん:はい!3人目は、途中入社してきた頼れる同僚Cです。30代なのですがとにかく仕事ができる人で、ユーモアのセンスも抜群でした。

ムードメーカーのCが来てからは、職場の雰囲気も良くなって。Cは面白い人だったので、私も友達みたいに仲良くしてました。毎日LINEしたり。

ある日突然、付き合っていたBからLINEが来なくなって。「これってもしかして、もう私は用無しってこと?せっかく手に入れた私のポジションは?」と怒りが湧いてきました。

私は去るものを追わない。すぐに作戦変更で職場で人気者のCに乗り換えることにしました。


東カレ編集部:Cさんはすぐに、アヤさんに落ちたんですか?


アヤさん:すでにLINEで告白されてたので、カンタンでした!(笑)

それからは、Cと仕事終わりで旅行に行ったりするようになって。すると何かを感じたのか、またBの方からすり寄ってきました。

ルックスはBの方がタイプだったし、何より邪険にすればBは上司ですので私の立場が無くなります。もうカオス状態ですが、Aからは寵愛、B・Cは同時進行になりました。

…社内の三大勢力をバックに付けた私は、もはや向かうところ敵無し!無双状態に。





アヤさん:こんな感じで社内の3人と親密になった結果、人間関係が複雑化し崩壊しちゃいましたね。

まず、Bの贔屓がどんどんエスカレートしてしまって。社内ストーカーみたいになったんです。一瞬トイレに行っただけで「いないからどこに行ったのかと思った」って言われたり。


東カレ編集部:怖い…。


アヤさん:それに「アヤはAやBやCと付き合っているのかも知れない」という噂が飛び交ってしまい…職場に居づらくなったので、さっさと辞めちゃいました!

でも目的を果たせたからいいんです。最初からこの職場の上層部があんまり好きでは無くて「掻き回すこと」が最終目的だったので、それはしっかり果たせましたね(笑)

あ、ちなみに私が退職してすぐ、Bも季節外れの異動になりました。Bも職場に居づらくなったみたいですね。


東カレ編集部:今は、BさんやCさんと連絡を取ったりしているんですか?


アヤさん:Cとは友達の関係ですが、それ以外は音沙汰なしです。そもそもこの職場に関しては、ハイスペ男性はいなかったので…退職したら切るつもりでした。職場で守ってもらえれば充分だったんです!


東カレ編集部:じゃあ、当時の職場にはなんの未練もないんですね?


アヤさん:そうですね。それにここまで散々、社内を掻き回して来ましたがその大半は私の自作自演の芝居みたいなものでした。

“職場の人工花・アヤ”が常に恐れていたのは、自分より若くてキレイな子が入って来て一気に人気が流れること。

せっかく自分が創り上げて来たモノがボロボロと崩れ落ちるのは見たくないし、何より他の人たちにそういう姿を見られるのが無理だと考えていました。カレンダーに「面接」と記載がある日は内心とてもヒヤヒヤしていました。


東カレ編集部:そうだったんですか…。


アヤさん:むしろ、よく1年半持ったなと思いますよ。

そういえば私が入社してすぐ、以前は職場の花だったと思われる30代の女性が、よくわからない理由でスッといなくなりました。もしかしたら男性たちの注目が彼女でなく私の方に流れてるのを瞬時に感じ取ったからなのかなと今は思ってます。馬鹿げた発想かもしれませんが、女性って“そういうもの”じゃないですか?

この物語をキレイな結末で終わらせるためには、このタイミングで自分から去るのが1番よかったと今でも思ってますよ。





職場の雰囲気が悪く、さらにお局さんからの度重なる嫌がらせを受けて、社内の人間関係を掻き回すことを決意したアヤさん。

彼女の話を聞いていると「サークルクラッシャーというのは当事者ひとりだけでは生まれない。クラッシュさせてしまう環境があるからこそ、サークルクラッシャーは誕生してしまうのだ」と痛感させられた。

もしかしたら、あなたのサークル内にもクラッシャーが潜んでいるのかもしれない…。


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東大生をコンプリートする女

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