格差婚~僕の3倍稼ぐ妻~ Vol.2

「妻の収入をアテにする男と一緒にするな」夫のプライドを打ち砕いた禁句とは?

気の合わない人たち


「こうちゃん、準備はどう?そろそろ、みんな来ると思う」

無事にケータリングも届き、康太がぼーっと窓の外を眺めていると、玲がバタバタと入ってきた。

彼女は、近くのネイルサロンに行っていたのだ。

「完璧だよ。まあ、俺は何もしてないけど」

すると玲は「作業に立ち会ってくれてありがとう」と、スタバのコーヒーを取り出した。

コーヒーをすすりながら、康太は玲に尋ねる。

「今日って、里穂さんと彩子さん、それぞれのご主人も来るんだよね。おふたりとも、何の仕事してる人なの?」

「里穂の旦那さんは、大学の非常勤講師。日本文学の研究してるんだって。彩子の旦那さんは、彩子のご実家の会社で、役員をやってるよ」

玲の回答に、康太は衝撃を受けた。いわゆる普通の会社員は、自分だけということではないか。

自分の周りには、会社員として働いている人が圧倒的に多い。学者も経営者もいない。彼らと話を合わせることが出来るのか、少しだけ不安になる。

すると、玲のスマホの画面が光った。

「里穂たち、マンションのエントランスに到着したみたい。迎えに行って来るね〜」

立ち去る玲の背中を見つめながら、康太はなんだか嫌な予感を覚えた。


「すごーい!玲、準備ありがとう!」

パーティールームに入るやいなや、玲の友人・里穂と彩子は歓声を上げた。

続いて、いかにも日本文学研究してますというオーラを纏った公家のような男(里穂の夫・誠)と、余裕ある男代表のようなイケメン(彩子の夫・友也)が登場した。

どうでも良いが、彩子の夫が着ているのは、おそらくクルチアーニのセーター。この前ミッドタウンで見かけていいなと思ったが、自分には無理だと諦めた、あのセーターだ。

公家にセレブイケメンに、気が重い。とはいえ、自分は、ホストを務める立場だ。気を取り直して笑顔で迎える。

「今日はありがとうございます」

そう言って、両旦那から差し出されたのは『GENDY』のプレミアムビターキャラメルバーと、『村上開新堂』のクッキー。

女性陣はといえば、「ねえ、この前さ…」「えー、結婚したの!?」と、すでに共通の話題で盛り上がっている。

康太は、どうにかこの数時間をしのごうと、拳をキュッと握りしめた。

この記事へのコメント

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No Name
夫とよく相談し、夫も望んで、夫より稼ぐ妻になった者です。
結果、夫は卑屈になり、どうせ俺なんてを連発しています。家事は約束通りやらないし、子供たちをお願いする日は空気が悪い。
男なんてやっぱり女を下にみていたいのかと思ってしまう。
2019/12/31 06:5899+返信17件
No Name
ちいさい、ちいさい、ちっさすぎるっ!エクストラスモールな男だっ!!!
2019/12/31 05:2599+返信17件
No Name
ミスマッチですね。地方出身の派遣で何が何でも東京で結婚して主婦になりたいっていう女子と結婚したらいいのに。もしくは家事したくないなら外注すればいいよね。こんな男にならないように息子を教育しないと!
2019/12/31 05:3099+返信7件
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