「仲は良いのになぜ?」結婚3年目、突然妻から“別居宣言”された男の本音

1ヶ月後、驚きの報告が!


古民家風の居酒屋で、亮介の愚痴を聞いた夜からおよそ1ヶ月が経ったある日。

今度はアーケード近くのイタリアンレストランで再会すると、彼は以前とはまるで別人のごとく溌剌とした笑顔を見せていた。

とても妻から別居された男には見えないが…その後、田邊夫妻は一体どういう結末を迎えたのだろうか。

「実は…ご報告がありまして、子どもを授かりました」

なんと、皐月から「別居したい」と言われてから3週間が経ったある日。

亮介が仕事から戻るのを待ち構えていたように、玄関先で出迎えてくれた皐月から「子どもができた」と告げられたのだという。

「いや…本当に驚きました。驚いたというのは、子どものことももちろんですが、それより皐月が涙を流していたことです。

別居を切り出された後でしたから、最初はどっちの意味の涙なのか慌てたのですが…彼女、僕の胸に顔を押し付けながら『嬉しい』って何度も何度も呟いていて。そんな皐月を抱きしめながら、僕も『嬉しい』『幸せだ』って言いました。そうやって、二人で嬉し涙を流したんです」

それは、なんともおめでたい話である。

しかし妻・皐月の憂鬱は解決したのだろうか。別居願望は、もうなくなったのだろうか…?

「…ええ。僕も驚いたのですが、妊娠発覚後、別居の話はなかったことにして欲しい、と皐月から言われました。出産時は原宿の実家に里帰りすると言ってはいましたが、きちんと戻って来ると約束してくれて。

なんでも高松は非常に子育てのしやすい環境なんだそうです。産婦人科に通うにようになって少しずつ友人もできたらしく、いろんな情報を得てきては僕に教えてくれるようになりました。彼女はもともと社交的だから、きっかけさえあれば誰とでも仲良くできるし、楽しめるんですよ。ああ、本当に良かった…」

そう言って、安堵の息をつく亮介。

本当にナイスタイミング、としか言いようがない。

高松の暮らしに慣れず、東京での刺激的な生活への未練から塞ぎ込んでいた皐月。

しかし妊娠がわかった途端、彼女はまるで生きる希望を見つけたかのように、再び昔の笑顔を取り戻したらしい。

「子はかすがい」と言うが、まさに子どもの存在が、田邊家の結婚3年目の危機を救ったようだ。


▶NEXT:12月21日 土曜更新予定
結婚3年目でまさかの立場逆転。その時、夫は…。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo