「私たち、もう1年もないんだよ!?」夫婦生活に悩む美人妻がたどり着いた、最終手段とは

里香の話では、レスになった原因に、明確な心当たりはないという。

「私と浩史は2年弱の付き合いを経て、3年前に結婚しました。出会って5年になるわけですが、記憶を振り返ってみると、結婚して1年くらいは普通に夫婦生活があったはずです。それがお互い仕事も忙しいし、だんだん睡眠欲の方を優先するようになったというか…」

当時も、里香に「頻度が減ったな」という認識はあったらしい。

「でも私の方もどうしてもしたいわけではなかったし、『まあ、そのうちに』と考えて大して気にしていませんでした。

ところが、この「そのうち」がいつまでも訪れないんです。というより、おそらくお互いに『いつでもできる』と思っているからこそ、タイミングがわからぬまま月日だけが過ぎていきました。

それでも別に、しばらくは深刻に悩んだりしませんでした。というのも私と浩史はとても仲が良くて、時間を合わせて途中まで一緒に通勤したり、帰宅時間を合わせて飲みに行くこともしょっちゅう。手を繋いだり軽くキスをしたり、スキンシップもあった。ただ、夫婦生活がない。それだけが、なかったんです」

レスであることを、特段大げさに捉えていなかった里香。しかし彼女が最近、急に不安に苛まれるようになったのは、ある朝、通勤電車で見つけた中吊り広告だったという。

「『もう半年もしてない…。レスに悩む人妻の本音』っていう赤い背景に白抜き文字で、朝っぱらから公共の場所に踊る、下世話な見出しが目に入ってきたんです。

別に見ようとしたわけじゃなかったんですけど、あまりにもどぎついその文字が、私の視界に入ってきました。半年もしてない…って。私なんか、もう1年以上ないけど!?って、独り心の中で突っ込みましたよね。そして同時に、半年してなかったらレスなの…?と疑問に思ったんです。それで調べてみたんですよ、レスの定義を。そしたら…」

電車の中で、里香はこっそり検索をかけた。すると−。

「日本性科学会とかいう団体がレスを定義していて、それによると、セクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ない状態を指すんですって。セクシュアル・コンタクトにはキス等の接触も含まれるみたいだけど…それにしたって1年以上も夫婦生活がない私たちは、言い訳無用でレス認定されるでしょう。−私たち、レスなんだ…って。その事実を、ついに突きつけられた気がしました」

電車で下世話な中吊り広告を見つけるまでは、大して気にもしていなかったが、一度気になってしまったが最後、里香の頭の中は「なんとかしなければ」という思いでいっぱいになったとのこと

「勢いそのままに、関連記事を読み漁りました。するととにかく、早めの対処が肝心だって書いてあるわけです。私と浩史は、ぼんやりしている間にもう、1年もレス期間を作ってしまった。なんとかしなきゃって、焦りました」

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