「反抗期とかありませんでした」親との仲を自慢する男との結婚に潜む、意外な落とし穴

お正月はどちらの実家で過ごす?


親の援助をありがたく受け取り、妻の本音は無視し続ける和宏。

しかしそんな夫に対し、当然ながら妻・美咲も、ただ耐えるだけではいられない。もともと美人CAで、蝶よ花よとチヤホヤされていた女性なのだ。

ついに耐えきれなくなったのだろう。美咲はつい先日、こんな申し出をしてきたという。

「結婚して3年。大晦日と元日は広尾の僕の実家で過ごし、2日から秋田の妻の実家に帰省するのが恒例でした。それを、今年は大晦日から息子を連れて自分の実家に帰りたいと言い出したんです」

そこに関しては一歩も譲れないという態度だったため、和宏としても渋々承知するほかなかったそう。

両親に説明すると案の定いい顔はされなかったが、「そんなのも今年だけのことだから」と勝手に決めてなんとか説得したという。

「美咲の実家は遠いから、どうしても疎遠になりがち。それは物理的にどうしようもないことです。大晦日から実家に帰り、少しでも長く一緒にいたいという気持ちもわからなくはない。それでリフレッシュしてくれるならまあいいでしょう」

自分に言い聞かせるようにして、深く頷きながら語る和宏。しかし間髪入れず、すぐにこう付け加えた。

「ただ、できれば来年からは、またこれまで通り元日までは広尾の実家にいてほしい。両親の機嫌を損なうと面倒ですからね」

和宏は、たとえ妻の頼みであったとしても、両親の言うことに抗う気はさらさらないという。

「当たり前です。お金だけ出してもらっておいて口は出すな、なんて、そんな都合の良い話は通用しませんよ。それは美咲だって、十分にわかっているはずです」

穏やかな微笑みを湛えたまま、そう言い切った和宏。

しかしながら、迷いのない彼の言い方は、妻・美咲に対する信頼というよりも「そうあるべき」という押し付けにしか聞こえない。

両親との関係改善を望む妻と、まるでその気のない夫…。

結婚3年目の土屋家、夫の実家との付き合い方をめぐり夫婦の意見は平行線だ。夫妻の行く末には、暗雲が立ち込めている。


▶NEXT:11月23日 土曜更新予定
結婚3年目。ついに訪れた、レス問題…。

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