御三家ウォーズ Vol.6

「あなたなんかに負けるわけにはいかないの」仲良しのママ友が、一瞬にして敵に変わった出来事とは

御三家。それは、首都圏中学受験界に燦然と輝く、究極の伝統エリート校を指す。

男子は開成・麻布・武蔵。女子は桜蔭・女子学院・雙葉。

挑戦者を待ち受けるのは「親の力が9割」とも言われるデス・ゲーム。

運命の2月1日、「真の勝者」は誰だー。

◆これまでのあらすじ

深田 彩は、夫の真一と息子の翔と3人、南麻布で暮らしている。

ある日、翔が、男子御三家の一角・麻布中学校に入りたいと言いだした。

叔母の祐希からは中学御三家受験は彩には無理だと言われてしまう。

辛うじて、有名塾の一番下のクラスに合格した翔。生半可な気持ちでは挑戦できないと悟った彩は、自分も一から翔とともに勉強すると誓い、並走すること7か月。ついに翔は新6年生に突入した―。


「ううーん、マズい!こんなにやってるのにどうして!?」

深夜1時、彩はプリントが散乱したダイニングに突っ伏した。

手には、息子の翔が持ち帰ってきた塾のテスト結果が握られている。

「算数、これじゃマズいよね…」

算数偏差値51。4科目偏差値55。

悪くはない。トップ塾、つまり母集団が最高レベルのこの塾では、同じレベルであっても一般的な偏差値より6~10ほど低く出る。50でも十分、難関校が射程圏内だ。

しかし、塾の表で麻布の偏差値が62であることを考えると、いずれにしても算数51では話にならない。麻布の算数配点は、理社100点に対して150点なのだ。

「算数で半分だと、他で7割とっても厳しいかも…ていうかこれじゃ3~4割かも…」

彩はいてもたってもいられず、リビングをぐるぐると徘徊した。

このテストは、少し無理をしてまで勉強して挑んだのだ。ここ1か月の睡眠時間は6.5時間程度。小学生としては危険水域だと彩は思う。

この試験は一つの試金石だった。

限界だと思えるくらいやってみて、どのくらい手ごたえがあるかを試すために、無茶をした。しかしその結果が思わしくないとなると、ダメージは大きい。

数時間前、叔母の祐希に電話をして、いよいよ家庭教師をしてくれないかと頼んでみたが、「私はもう講師稼業は廃業したの。二度と生徒はとらないわ」とすげなく却下された。

そっけないが実は情に厚い彼女がそう言うからには、本当にやりたくないのだろう。何か事情があるのかもしれない。

「こうなったら、図々しくて気がすすまないけど…。翔のためだ、次の一手をあの二人に相談してみよう…」

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